「いち、に、さん、しっ
ご、ろく、しぃち、はち!」
「いち、に、さん、しっ
ご、ろく、しぃち、はち!」




屋上の真ん中に寝そべって、見上げる空。
聞こえてくる運動部らしい揃った声。




「なぁ、なんでハチまでしか数えねえのかな?」
「知るか。・・・テストに出んのかよ」
嫌味な笑顔でササメが答える。

ハチ。
ハチと聞くとどうしてもある人物を思い出して
しまう。
「・・・なんでハチまでかな・・・」
それにもうササメは答えない。
そして、半身を起こすと、聞きなれたジッポの音
と煙の匂いをさせた。
そらからオレを振り返る。
ササメが強く吸い込むとタバコの火が赤く燃えた。
そのタバコをササメが半ば強制的にオレの口へ咥
えさせる。
深く吸い込んで、満たされる肺。それを浅く吐き
出す。
と、またそれはササメの口へ戻っていく。

数回、それはオレ達の間で繰り返された。

「ハチヤの事か?」
ササメが言って、オレは噴出した。
「オマエも、思ってたんじゃん。ナ?思い出すだ
ろ?アレ聞くと」

「カネダ」
ササメがオレを睨む。
「アイツの何が悪かったワケ?何でアイツじゃダ
メだった?」
オレは空に煙を吐き出す。
「さあね」






カネダジュンヤ。17歳。高2。生徒会書記。
オレがここまでまとも(?)にマジメにやれる
ようになったのはハチヤのオカゲかも、知れない。








ハチヤと出合ったのは14歳の時だった。
ハチヤは24歳。
ササメとオレはその頃からの付き合い。
フクザツな家の事情(カネダジュンヤのネガイ参照)
により、休みがちだったオレに、ハチヤは積極的
に接してくれた。

「ジュンヤ。今日笑った?」
「・・うるせえなぁ・・」
呟きと舌打ちが出る。
休み時間になると教室に現れるこの男がいい加減
うざかった。
教室の入り口から声を掛けられるのが一番アタマ
にくる。
ニコニコと手を振る姿。
ハチヤはウチの中学の専属カウンセラーだった。

保健医崩れって聞いた。
『先生』は余ってんだってさ。
その内ガキの数より多くなるかもな。

だからこんな風に、病んでるヤツを見つけると
喜んで食いついて来る。

あ〜あ、他にだっているんじゃねーの?
イッチャッテルヤツなんて。3年なんて受験だし。
オレなんかよりよっぽど病んでんじゃねえのかな?
なんで、オレばっか・・・。

それで、休み時間を有意義に過ごせる場所を探し
た。
が。
敵は、その思惑をハナから読んでいた。

「よ!」
その人懐っこい笑みで、ハチヤはさっさと、オレ
の隣へしゃがみ込む。
講堂のベランダ。人がめったに来ない場所。
「な、なんで・・・テメ!」
「後ろ尾けて来てたっつーの。まだまだ甘めえな。
ジュンヤ」
ハチヤはいつもラフなカッコでその日もサッカー
モノのシャツと紺のイージーパンツ。
普段オレらがするのとあんまり変わんないカッコ。
髪もわりと長めでさすがに茶髪じゃなかったけど、
若い男ってだけでも女子の注目を浴びてた。
その辺歩いてりゃ学生と変わんなかった。
「放っといてくんねえ?もう」
「やだ」
笑って、タバコを出す。

ガッコって禁煙じゃねえの・・・?

その視線に気づいたのかハチヤは火を点けたタバコ
をオレに向けた。
おずおずと、それを軽く吸い込む。
と。
「共犯ナ」
ニヤけて笑うハチヤがオレからタバコを奪う。
「・・・!!ロクなオトナじゃねーなっ」
「だろ?オレなんか、なんでこんな事やってんのか
って悩んじまうよ」
「・・んだよ、ソレ」
「もっと楽な仕事だと思ったのによ。オマエみたい
イヤな顔する奴ばっかだしよ。オレ、まだナンもし
てねーってのに」
ハチヤが細く煙を吐き出す。
その煙を眺めてた。
「ジュンヤはさ、なんで、オレの事、避けんの?」
「・・・・オトナだから」
一瞬考えたような顔をしてハチヤが呟く。
「・・オトナだからかぁ」
ハチヤのタバコが赤く光る。
チリチリと音がしそうな程吸い込んでから、また、
吸い口をオレに向けてくる。
そのまま。
オレはハチヤのタバコに口を寄せた。

ア。

咥えて、ハチヤの指が唇と当たった。
自分で持てば良かったと後悔した。
一本のタバコが何度も口を行き来するより。
ホンの少しだけ触れた体温の方がビビる。
ハチヤはそれには気づかないフリで短くなった
タバコを、ズボンのポケットから出した缶の中
へ捻じ込んだ。
「証拠隠滅」
それから、オレを見て、も一本吸いたい?って
聞いた。
答えに詰まる。
「じゃ、またここでな」
ハチヤは立ち上がると、講堂の窓から中へ戻っ
て行った。
それを見送って、暫くオレは外を眺めてた。
なんも、考えないで。
ただ、ボーっと。


いつからそんな風になったんだろう。
まるで、自分が無いみたいだった。

自然と一体化しちゃってねぇ?オレ。

消極的。
その形容詞が素晴らしく当て嵌まっていた。
でも、仕方がない。
何も、考えたくなんかなかった。
ただ息をして。
この命が終わるのを待ってる。
決して死にたいワケじゃない。
だけど、何もやる気になんかならなかった。
何もかもがオレとは違う方向を向いてる。
オレだけがポツンと立ち竦んで。
風も光も当たらない場所で。
自分が朽ちていくのを待ってた。
そうだ。
オレは待ってた。
自分が滅びていくのを。
ボロボロになっていくのを望んでた。
ココロなんてモノが何にも反応しなくなるのを。
ココロなんてもんが消える事を、祈ってた・・。









「ジュンヤ」
講堂の入り口に立ったオレをハチヤが呼び止めた。
「使用中。3年が定期考査やってんだよ」
言いながら、手招かれて、オレもそっとついて行
った。
「ようこそ、オレの職場へ」
着いた先は、音楽室の隣。校舎の端にあるカウン
セラー室だった。
コジンマリ。

こんなとこ誰か来んのかよ・・。

中は全くの飾り気の無い空き教室だった。
会議用のテーブル。
パイプ椅子が壁沿いに幾つかたたまれてて、その
一つをハチヤがオレに持ってくる。

「ここじゃ、タバコはムリだから、コーヒーでも
入れてやろっか?」
「別に、い」
「んだよ。オレが飲みたいんだよ。付き合えよ」

なら、始めから聞くなよ・・!

ハチヤがポットからお湯を出す。
湯気の立つ紙コップが目の前に置かれて。
「ジュンヤはさ」
ハチヤが話し出す。
「彼女とかいんの?」
そのセリフに、裏めいたモノを感じてジッとハチヤ
を見つめてみた。
ハチヤは真っ直ぐオレの目を見つめ返してきて、続
けた。
「なんかさ、妙にオマエってオトナっぽいんだよな。
なのにサ。・・・オトナがキライみたいだし・・?
仲良くしたい、オトナのオレとしちゃ、どうしたら
仲良くなれんのか知りたいワケよ?」

たぶん。
オレに対していい感じの事言ってんだと思うけど。
そのセリフじゃ、オレには何にも届かなかった。
仲良くしたい、なんてチンプ。
口先。
それが、余計にオレをコロス。
ココロをコロス。
それが、自分が傷ついてるって事だって判ったけ
ど、オレは、それでいいんだったって事に気づく。
早く、オレはココロをコロシてしまいたかったんだ。
コイツに失望する事なんか無い。
これがオトナなんだから。
そして、こうして、オレは削ぎ落とす。

「なんで、そんな悲しそうな目?」
ハチヤが頬杖ついてオレに聞く。
答える気にもならなかった。
ただ、ハチヤから向けられる目を見つめ返した。
「そんな目してさ・・・、ジュンヤ、わかってねえ
んだよなぁ。なぁ、なんでオレがオマエばっか構っ
てるか考えてみ?」
「ヒマだからだろ」
即答してやる。
「あのな。オマエと居たいからワザワザ時間空けて
るっつーの、コッチは。この時期なんか進路決めで
わんさか3年のタマリだっつーのココ」
ハチヤは自分の髪くしゃくしゃって両手でかき上げ
る。
「・・・・なにそれ」
下から覗くようなハチヤの視線。
「告っていいか?」
カラダがピンと強張る。
オレは急いで立ち上がった。
パイプ椅子が床滑んないせいでガタガタとデカイ音
が出る。
ドアノブを掴んで回す。
「鍵、掛かってる」
声に振り向くとハチヤが椅子を指差す。
「座れって。まだオレ何も言ってねえじゃん?」
「開けろよ・・!」
やっと出た声は、絞り出すように枯れてた。

「ジュンヤ。オレ、オマエ助けてやりたい」
言いながらハチヤが立ち上がる。
「こっち来るな」
「カウンセラーとか、関係ない」
「なんなんだよっテメェ!」
「そんな目ジュンヤにさせるのは何だ?誰だ?」
「放っとけよ!!もうヤなんだよ!!オレはもう
誰にも触られたくない!!一人で・・オレを一人
でいさせてくれよ!!」
「ジュンヤ。オレはここにいる。見ろよ、ここに
いる」
顔を上げると・・・ハチヤは、まだそこから動い
てなかった。
オレは震えながら、ドアノブを両手で掴んでた。
「オレは触らない。ジュンヤに触らない。絶対。
・・・行っていいか?鍵開けるから」
オレは短く息吐きながら、頷いた。
ゆっくり、ハチヤが歩いて来た。
オレもゆっくりそこから退く。
ハチヤが鍵を開けてドアを開いた。
オレは堪らず走りだした。


ココロはいつになったら壊れる?
いつまでこんな風に傷ついたりしてるんだろう?
早く何もかもを忘れて、早く何もかもを感じなくな
りたかった。


オレは次の日から学校を休んだ。



三日連続で休むと、その日の昼にハチヤがやってき
た。
「ジュンヤ」
ニッコリ笑って片手を上げる。
「・・・何?」
「遊びに来た。ホラ」
手にあるのは数本のゲームソフト。
「・・・アンタ、ガッコは?」
「出張アツカイ」
「帰れよ」
「何だよ、ノリ悪りぃな。一回くらい遊んでくれよ。
記念に」

何の記念だよ。

一度そのままドアを閉めると、ハチヤはめげずに
呼び鈴を烈しく連打してきた。
「しょうがねえオトナだな・・!」
渋々、ドアを再び開けると、尻尾振り出しそうな顔
がそこから覗く。
「・・・すぐ帰れよ」
チェーンを外すと少し顔を赤らめたオトコが中へ入
ってきた。
「オジャマシマス」
その顔を見て。
「アンタ・・・マジ?オレが好きとかって・・」
「わ、待った待った!オレはそこまで言ってねえぞ!
ただ、気になるな、と。な?まずはそこからだろ?」
「知らねえ。んな経験ねえもん」
「ふーん。で、オンナにもオトコにも興味ナシ?」
思春期なのに?ってハチヤが笑った。
オレはその顔を見据えて。
「思春期だからだよ」
今オレは自分がどれくらい冷酷な目をしてるかわかる。
ココロが凍ってる。
「じゃ、キスしたいとか思うわねーの?裸見たいとか」
一瞬、頭の中を過去が通り過ぎる。
「止めろよ・・・。オレは、何もしたくなんかない」
「前途多難だな」
「放っとけよ」
「ま、ま、今日はマジで遊びに来ただけだから」

ハチヤはそれから2時間オレとゲームだけして、ホン
トに帰っていった。

「また明日な」

変な奴。

だけど、久しぶりに時間の進みが速く感じられた。
毎日の一時間がオレにとっては苦痛だったから。
何もしないでいたい。何もしないで過ごしたかった。
なのに、何もしなくてもアタマは考える。
いろんな事を考えて、思い出して、オレを苦しめる。
だけど、その苦痛がきっとオレのココロをダメにして
くれる。
そう思えば、苦痛も受け入れられてた。
受け入れなければいけなかった。


その苦痛ばかりのアタマの中へハチヤの事が少しだけ
入り込んで。
時々、ハチヤの事を考えた。
そんな時は、時間の経過も少し気にならなくなる。
講堂のベランダで会う事もイヤじゃなかった。
空に吐き出す煙が気持ちよかった。

それだけが、その頃のオレの快感だった。
ちっぽけな白い煙。
吸い込んで吐き出す。
それだけ。
それが、オレをニンゲンらしくさせてた。
「でも、ちょっと吸いすぎだよなぁ」
ハチヤが二本目を携帯灰皿へ押し込んで言った。
「やっぱし、指導者側としてどうよ?」
ハチヤが首を傾げてくる。
「・・・オレの前じゃオトナでもカウンセラーでも
ねーんじゃねえの?」
聞き返して、ハチヤがおっ、と顔を上げる。
「ついに、オレ、オトコとして認知?」
機嫌が良くなったみたいに言いながら、三本目を出す。
それを咥えるとまた火を点けた。
フッと軽く吐き出す煙。
そのタバコにオレが手を伸ばすと、その手を掴まれた。
「お!びっくりしないじゃん!」
「慣れた・・・。・・タバコ」
「んー。ちょっと吸い過ぎだしなぁ・・・」
言って。
首に手が回された。
掌の感触。
グッと引き寄せられて、唇に濡れた感触が被さる。
ペロッとくちの中、べろを舐められた。
今煙を吸ったばかりの口の中は、十分にタバコの匂い
が、味が、した。

あ然。
口を開けたまま、オレは固まってた。

「これで勘弁して」
イタズラに成功した顔で笑ってハチヤはそっぽを向く。
「・・・テメェ・・・信じらんねえ・・!」
「あ〜、ついに手出しちゃったぁ・・・!やっべ。オレ
やべえなぁ」
「ナニハズカシガッテンダヨ・・・てめぇ・・」
「しゃーねえじゃん。オレ、オトコにチュウしたの初め
てだしさぁ・・。どうだった・・?」
このトボケタヤローにオレは苛立ちを覚えた。
(今にして思えば。
オレの加虐性はコイツに育まれたのかも知れない。)

反射的に右腕が上がり、ハチヤの顔へ正券突きが入る。
「イッテ!!暴力反対!」
大袈裟に体を横倒しにしてハチヤが顔を押さえる。
「寝言は寝て言えよ」
オレは立ち上がり、窓から校舎の中へ戻る。
その背中へ。
「なあ」
声が響く。
「今度、エッチしようぜ」

呆れた。
呆れて声も出ない。
オレはサッサと中へ入った。

唇の感触が、ナマナマしかった。






それからオレは講堂には行かなかった。
その代わりハチヤはやっぱりオレの席までやって来た。
女子がセンセーってハチヤの周りを囲む。
それを手であしらいながらオレのとこまで歩いてくる。
オレは完全に奴をフレームアウトさせるべく漫画を開く。
オレの机に頬杖ついて。
「なぁ・・・行かねえのぉ?」
ハチヤが呟く。
「行かねえ」
「なんでぇ?」

なんでじゃねえよ。テメーのせいだろ。

思わず視線を上げてしまう。そこにはオレをジッと
見つめるハチヤの顔があった。
「なぁ。知ってるか?ムカーシムカーシ二人の、少年と
少女がイマシタ。その二人は一緒に階段を落ちました。
すると、二人の体と中身がごちゃまぜに」
「ソレ、小説だろ」
「まぁ聞け。そして二人が再び階段から落ちると、元
の体に戻れるのでした、チャンチャン」
にっこり笑うハチヤ。
「・・・で?」
「まぁ聞け」
「まだあんのかよ?つーか小説だろ」
「民間的ショック療法ってのがあってな。アタマを強
く打って記憶喪失になった時はな」
「も一回アタマぶつけろとか言うんだろ」
先に答えたオレを指差し、ハチヤは喜ぶ。
「つまり。オレは考えたワケだ」
嫌な予感がした。
「聞きたくねえ」
漫画を閉じて席を立ち上がる。
そのすぐ後ろをハチヤもついてくる。
「どこ行くの?」
「ついてくんなよっ」
「なんで怒ってんの?」
ハチヤがオレの肩を掴んだ。
その手を思いっきり弾く。
肩で息して、アタマに血が昇ってくのがわかった。
「ナニ、聞いたんだよ・・!?誰に聞いたんだよ!」
ハチヤが弾かれた手上げたままビックリした顔してた。
「・・何を・・?」
オレは、ハチヤが怖くなって、階段を駆け下りた。
そしてそのまま外へ出て、校門も飛び越えて、家まで
走った。

やっぱり誰も信用なんて出来ない。
何も信じられない。
オレを皆が騙してるように感じた。
皆は全部知ってて。
ハチヤは全部知ってて。
オレは試されてて。

涙が零れた。

ハチヤまで、信用できないんだ。
そう思って。
オレは信じたかったんだって気づく。
ハチヤを信じたかった。
オレの前で、自分は先生なんかじゃないって言った
アイツを。
ただ、オレをただ好きなだけだって言ったアイツを。
信じたかったんだ。
涙が流れた。


オレはこんな風に壊れていくんだ。

それで、いいんだ。
もう誰とも関わらずに。
それで、いい。














また、オレは再び学校を休んだ。












抜け殻のように部屋に篭り。
朝が来ても夜が来ても部屋の中は同じ暗さを保っ
てた。
まるで、モヤシでも育ててるようだったろう。
そこにニンゲンがいるなんて誰も思わなかっただ
ろう。
ずっと目を瞑ってた。
何も見ないで、何も感じないで、少しの水だけ
を口にして。
床に空のペットボトルがゴロゴロと転がる。

そのドアが突然に開く。
「ジュンヤ・・!」
その声を忘れる程にオレは壊れてきてた。
体を揺さぶられて、抱き締められる。
タバコの匂いがした。

ああ、ハチヤだ。この声は、ハチヤだ。

やっとで目を開けた。
「触んな・・ハチヤ」
「ジュンヤ・・。このまま壊れる気か・・?」
抱き締められて頭を撫でられた。
不思議と嫌悪感は湧いて来なかった。
ココロが壊れてきた証拠かも知れない。
そう思ったら笑えた。
もう少し。
もう少しなんだ。
「ジュンヤ・・・?」
ハチヤがそこにいる。
「放せよ・・もう、終わりだ。オレはもう居な
くなる」
「バカ言うな・・!」
強く抱き締められて、苦しくなる。
「まだ何もしてねえんだぞ!何も言ってないっ
オレはそしたらどうすりゃいいんだ・・?好き
な奴一人助けらんねえで・・・カウンセラーな
んかヤッテられっかよ!!オマエ助けられなきゃ
誰助けたって、話聞いたってオレは嬉しくなんか
ねえんだぞ・・!」
マジな声のそれ聞いて、余計に笑いたくなる。
「好き・・?笑わせんなよ・・。ヤリてぇだけ
じゃねえの・・?」
ケラケラ腹が引き攣る。
「好きだったらヤリたくなるんだよ!それがフツ
ウなんだよッ抱き締めて、キスして、カラダ繋い
で・・・!」
「ドウブツだよ。んなの」
吐き捨てる。
「・・・セックスが怖いんだろ」
目が、ハチヤにとまる。
ハチヤが口を開く。
「何があったか、聞く気なんかねえ。でもな。まだ
オマエ、14だろ。今からセックスが怖いなんて、
ひでぇよ・・。オマエが可哀想だ・・!すっげキモ
チいい事なんだぜ・・?セックスできねえなんて、
ひでぇよ・・!」
言いながらハチヤが泣きだした。

なんだ、コイツ。

ハチヤが悔しいって泣いてた。
もったいないって。
ポタポタ涙零して。

「・・・じゃ、教えろよ」
ハチヤが顔を上げる。

「オレにキモチいいセックス教えてみろよ」
「ジュンヤ・・・」
ゴクッてハチヤが唾を飲んだ。
まるで、ハチヤの方が怯えてるみたいだった。
「抱かせろよ」
怯えるハチヤの顔見てたら、胸がドス黒くなってった。
この正義ぶったオトコを、オレをカワイソウだって泣く
このオトコを切り刻んでやりたいような衝動が沸く。

「脱げよ」
ハチヤが腰抜けたみたいにケツを降ろす。
「ジュンヤ」
「好きなんだろ?オレが。好きなんだろ?」
その胸倉を掴んで引き寄せた。
「キス、しろよ」
ハチヤの目が見開いてた。
瞬きを何度も何度もして、口を開く。
薄く開いた唇が、重なる。

柔らかな肉だった。
その唇が何度か形を確かめるように動いた。
それが、ぴったりと重なり。
ハチヤの腕がオレに伸びる。
その体は、オトナのモノで。
長い腕。
筋肉のついた肩。
硬い胸。
タバコ臭い吐息。
タバコ臭いキス。
背中を廻る腕に力が篭ってく。

キスが口の中で始まってた。

何かがアタマの中で壊れてく。
それがココロなのか。
それがオレなのか。

でも、今はどうでも良かった。
ハチヤにオレの言う事を聞かせたくて。
オレはハチヤの舌を噛む。
やわく歯を立てて、しっかりと顎に力を入れた。
「ん・・!!」
オレの口の中からハチヤの舌が暴れて逃げ出す。
「はぁ、はぁ、はぁ」
ハチヤが口元を掌で拭った。
拭った唇からみるみる血が溢れる。
下唇に濡れた赤。
ハチヤが唇からギュッと手の甲、腕まで赤い線を引いた。
それから。
ハチヤはオレのスウェットに手を掛けた。
ムリに引き下げながら、喉を鳴らす。
たぶん口に溜まった血を飲み込んでる。
ハチヤはオレのソコに手を這わせて、始めは掌を押し付
けるような動きで撫でながら、硬くなったソレを握った。
それを見たら急にタバコが欲しくなった。
ベッドヘッドに置いたタバコに手を伸ばした。
ハチヤがオレの下着もズリ下げる。
オレはタバコを咥えて、ベッドに頭乗せて煙を上に吐き
出した。
もう一度吸って。
ハチヤの髪を掴んで、唇にそれを押し付けた。
細く開けた唇から、ハチヤの中へ吐き出す。
「んんっ」

血とタバコ。

サイアクな相性で口の中が汚れる。
でも、それがなんでかクセになる。
また味わいたくなって、ハチヤの舌をキツク吸った。
そこから血の味を舐める。
吸出し、舐める。
吐き出し、吸わせ。
吸い取り、味わう。
「ジュンヤ・・・」
涙声みたいなハチヤの声がした。
もしかしたら、舌の傷を何度も吸ったせいで泣いていた
のかも知れない。
少し、はにかんだハチヤが、オレのチンポに唇をつけた。
真っ赤な舌。
それがオレの筋を舐め、鈴口へ割り入ろうとしてくる。
熱く、咥えられて、ハチヤの頭がゆっくりと動いた。
オレはタバコのせいか、鼓動のわりには落ち着いてソレ
を見る事が出来てた。
ハチヤがクチュクチュと水音を漏らした。
滑るように動く唇が、オレのチンポを熱くする。
「ハチヤ・・・」
呼んで、ハチヤの顔がそこから離れた。
「・・・イイ?ジュンヤ?キモチいいか?」
真っ赤な唇から顎にかけて、粘液が伝う。
その顔を見て、頭がボーっとした。
「イきそう」
深く息を吐く。
手に持ってたタバコのスカスカした灰が零れる。
フィルター近くまで燃えたソレを灰皿へ押し付けた。
「ヤラしてやるよ・・ジュンヤ」
ハチヤの唇がまたオレのと重なる。
口の中で熱い舌をこね回して唾液だらけにして。
唇が溶けそうだった。
なんてヤワラカイ肉だろう。

口は性器だ。
濡れてて。
柔らかくて。
動いて。

濡れたヤワ肉を噛む。
噛むとハチヤが声を出す。
それを繰り返して、ハチヤが一旦離れた。
ハチヤは、自分のベルトを外し、両手で下着の中から性器
を掴みだした。
それを扱く。
始めからトバシた自慰で、ハチヤの手が上下する。
息を堪えてたハチヤの口がハッハッって短く息を吐いた。
それから前屈みになって、手の中へ。
最後の一滴まで搾り出すように。
真っ赤なチンポの先から出てくるドロっとした粘液が丸っ
こいビーズみたいに光ってた。
そして。
それを、掌に乗せて、自分のケツの奥へと伸ばした。
顔を俯かせて、膝立ちの体勢でハチヤは。

何をしてんのか、わかってた。
自分の精液使って、ケツを解してる。

「見えねえよ」
ハチヤの顔がハッと上がる。
「み、見せんの・・?」
掠れたハチヤの声。
「見せろよ。ヤッテるとこ見せろよ」
ハチヤは目を閉じて、堪える様子で口を開いた。
「お、オレ、初めて、なんだからナ?いいな?」
それから膝を立てた。
指がたぶん這入ったまんまで。
そこから手を抜かない。
膝を立てても下着とズボンは膝に掛かったまんまで、それ
を、ハチヤは足で蹴って脱ぎ落とした。
ハチヤがオレに見えるように足を開く。
やっぱりソコにはハチヤの指が這入ったままだった。
白く濡れたソコはハチヤの指を第二関節まで飲み込んでいた。
「もっと、入れろよ」
その手をグッとケツへ押し付けてやる。
「ふっンッ」
指がズッと飲み込まれ、完全にオレの視界からハチヤの中指が
消えた。
ハチヤが、シンジランネエってハァハァしてた。
興奮するって首振って、手を動かす。
「イヤラシイ・・。ハチヤ。んなに、・・・オレとヤリてえん
だ・・?」
コクリとハチヤが頷いた。
「好きじゃなきゃ・・・ここまで、出来ねえよ・・!いいオト
ナが」
ハチヤの指が増える。
それをグリグリ廻す。
廻すせいで、ハチヤの膝が閉じそうになる。
オレはハチヤの膝を両手で開かせて、じっくり眺めた。
眺めてると、ハチヤが言った。
「オマエの(チンポ)、口に挿れて。舐めたい」
オレはベッドに手ついてハチヤの口元へ差し出した。
ソレを。
ハチヤがしゃぶる。
本当に奥まで飲み込んで、オレの根元までを唾液で濡らした。
先端がハチヤの奥に少し当たる。
それで無意識に突き上げそうになる。
舌で撫で回されて、オレのチンポは今までに無い程、硬くなっ
ていた。
ブルブルと腰が震える。
先端を舌の表と裏で舐められて、もういつ噴出してもおかしく
なかった。
ハチヤは、自分の指で感じてるみたいで、モゴモゴと声を出し
てた。
オレは我慢の限界で。
ハチヤの口から引き抜くと、チンポを掴んでハチヤの膝を割る。
ハチヤの指が抜け出たソコが小さく息をした。
ソコへオレは硬く握り締めたソレを突き立てた。
「ンンンーーーーー!!!!」
ハチヤが仰け反る。
肉が肉を噛む。
オレの肉とハチヤの肉が食い合う。
通れない隙間を這いずるようにオレのチンポがハチヤを犯して
いく。
濡れた肉の壁がキツク絡みついてくる。
「あぁっハチ、ヤぁ・・!!」
挿れるだけで精一杯だった。
射精したチンポを根元まで届かせて、オレは力を抜いた。
射精の感覚。
ビリビリと痺れるチンポはまるで破裂したようだった。
もう一ミリも動かせなかった。
それは、ハチヤも一緒だった。
チョロチョロとハチヤのチンポの先から雫が垂れていた。それ
が腹を伝って床へ落ちてく。
薄く濁ったハチヤの精液。
ハチヤは床に力無く倒れていた。
「ハチヤ」
呼びかけても答えはなかった。

タバコが欲しくなる。

オレはハチヤに突っ込んだまま、またタバコに火をつけた。
深く吸う。
肺の中を重みのある煙でイッパイにする。
吐き出されていくそれが一瞬美しい螺旋を描いた。
それから、口に咥えて、両手でハチヤの膝を思いっきり開
かせ、まだ硬いままのモノでハチヤの腰を突き上げた。
ハチヤの肉は行き止まりを知らない。
ドコまでもオレを飲み込んでいってしまう。
失神したままのハチヤをオモチャみたいに揺さぶった。
手にしタバコの灰が一欠けら、火をつけたままハチヤの上
に落ちた。
そのチリッとした熱さに、ハチヤが意識を取り戻す。
下半身を濃密な体液が伝う。
「はっはぁっはあっはぁっ・・!!」
「ハチヤ・・・・ハチヤ・・・!!」
「ジュンッ・・・!!」
足がギリギリまで開かされ、ハチヤは、再びオレを飲んだ。
奥の奥へ迸らせたソレを。
ハチヤは呻きながら、受け入れた。
「アッッチィ・・・!中が・・!」
ハチヤがオレの腕をすごい力で掴んで、爪先を立てた。
オレは息を弾ませながら、まだ硬いチンポで中を擦った。
「うっうっウゥ!」
「もっと、アンっとか言えよ・・・萎える」
「あ、アンッ!?・・・は、恥ずかしい事言うな・・!
中出ししやがったくせにッ」
ハチヤが涙目でオレを見上げた。
「あぁ・・・ダメ・・・?」
聞くと、ハチヤはもっと真っ赤になって。
「・・・いい、けど・・」
って横向いた。

なんで、恥ずかしがるんだろ。
オトナのくせに。

なんかムカついて、ドンッて突き上げてやる。
「はあんっ」

ハチヤが、ハアンって声出した。
「出るじゃん。声」
「ちがっ今のはチガウ!!」

何が違うんだ?わけわかんねえ。

も一度突き上げてやった。
「アアッ・・!!も、抜いて・・っ抜けぇっ」
「ヤダ。それとも口でイカしてくれんの?ならコッチ抜
いてもいいよ?」
笑って言ってやる。
一瞬顔を強張らせた、汗だくのハチヤが震えた。
見ると、チンポがビクビク揺れて、精液を吐き出してた。
「・・・・イッちゃった?なんもしてないのに・・?」
「バッお、オマエが、すげーエロい顔して、変な事言う
からだろ・・ッだからっ・・・ッ」
言いながら。
ハチヤが抱きついてきた。
「ジュンヤ、ジュンヤ、ジュンヤ・・・!好き。お前好き。
笑った顔、スゲー、キた。またイキそうだよ・・っ」
「じゃ、イカしてやるよ」
オレはハチヤの両膝を抱え上げて再び奥まで突っ込んだ。
ハチヤがイヤがりながら小さくあんって啼いてた。
セックス。
キモチいいセックス。
ハチヤが教えてくれた、セックス。



セックスして、オレの中で何かが壊れてた。
なのに。
オレはまだこの世界にいる。
もしかするとオレはハチヤの血を飲んだせいで。
何か新たなココロを生み出してしまったのかも。
不思議な気持ちだった。
吐き出した精液の分。
カラダが軽くなった。
そんな気分だった。
もっと。
もっともっと。
ドロドロした精子を、吐き出したい。










その後もオレは学校に行く気にはならなかった。
毎日、ハチヤはウチに来た。
オレを説得させるワケじゃなく。
オレにキモチいいセックスをさせるために。
ベッドを軋ませて、オレはスプリングにのってハチヤ
の中をズボズボと突いた。
オレは毎日、ハチヤが失神するまで離さなかった。
失神したハチヤの中から精液が垂れてくる。
それを見るのが、堪らなく好きだった。
汚れたケツ。
真っ赤に腫れたその穴がトロトロと粘液を吐き出して
くる。
ぽっかりと指一本分くらい空いた穴へ指を入れてみた。
穴はそれを味わおうと窄まってきた。


オモシロイ。
これは・・・。


オレは、その後、ハチヤがオレの精液まみれでいられ
るようにオモチャを注文してやった。
次の週にはソレが届いた。
オレはハチヤがウチに来るのをウキウキして待った。
たぶん昼休みの時間だろう。
呼び鈴が鳴る。
オレは急ぎそうになる足をゆっくり前に出して玄関ま
で迎えに行く。
「ハチヤ」
開けたドア。
ハチヤが笑ってる。
オレも笑う。
すると、ハチヤがびっくりした顔した。
「な、んか、いい事・・あった?ジュンヤ」
「ん?別に」
オレは背を向けて部屋へ戻る。

本当なら、どこでもいいからすぐにでもハチヤの手足
縛って、自慰させて・・・。
いや、待て待て。
オレの真の目的はなんだ?
オレの精液をお持ち帰りさせる事だろ?
なら、ゆっくりヤルさ。

オレはまた極上の笑みでハチヤを振り返った。
オレが笑うと顔を赤くするハチヤ。
カワイイ奴。
ベッドに押し倒す。
軽く視線外して、ハチヤはオレの服を脱がしてくる。
オレは笑ってハチヤの唇に口付けた。
いつものようにハチヤは自分でソコを解した。
オレに見えるように足を開いたまま。
それから言うんだ。
「ジュンヤ・・・ここ、挿れて・・。ホラ、も、這入る
から・・ッ」
自分の精液を呼吸する度、穴でフカフカ言わせて、ハチ
ヤが指を抜く。
それを、オレは思う存分ヤリまくる。
ハチヤが時々オレを呼ぶ。
そんな時はキスを欲しがってる時だった。
カラダ中を繋いで。
ハチヤは自由にイク。
オレはチンポ全体でハチヤの中をピストンした。
イク時を楽しみにして。
いや、イッた後を楽しみにして。












「な、ナニ・・・!?」
うつ伏せてたハチヤが驚いて首をコッチに向けた。
オレはグロテスクなオモチャをハチヤの中へグイグイ押し込む。
「ハチヤ、さ。まだガッコ行くんだよな・・?これからまた3年
とかと面談あんだろ・・?」
「アンッ・・あ、な、ナニ・・・コレッ・・んんっ」
ハチヤはチンポじゃないモノが中に這入った事にすぐ気がついた
みたいだった。
「オレの精子、ハチヤん中で育ててよ。ホラ、これで出てこない
から」
チンポの形そのままのオモチャ、の根元が少し膨らんでいる。
ここをハチヤの中へ飲み込ませれば、たぶんそうそう抜けない。
「アアッ!!イッイタッイタイッジュンヤ・・イタイ・・!」
力を込めると、ハチヤの悲鳴とは逆にすんなりとオモチャのコブ
はハチヤの窄まりの中へと飲み込まれた。
あとは3センチ程コードが出ているだけだ。
オモチャを飲み込んだハチヤのケツが、ソレを出したいのか、
一瞬開いて閉じてを繰り返す。
「ああ、ナニ、ナニ入れた・・!?ジュンヤぁ・・!!」
「ハチヤ。仕事、頑張れよ・・?明日んなったら取ってやるから」
ハチヤが真っ青になってベッドの上で座り込む。
そのカラダへオレはキスしながら身繕いしてやった。
ベルトまで嵌めて、立たせてやる。
ハチヤは半べそで、取って、ジュンヤ、取ってってオレ手を握
った。
オレはまた笑って玄関まで送ってやる。
「また、アシタな?」
肩を落としたハチヤがドアの向こうへ消えた。

フツフツと笑いが込み上げて来た。
おかしくておかしくて堪らなかった。
声を上げて笑う。
「サイコウ・・!ハチヤ、サイコウだよ!!」

オレは覚えたセックスを自分が楽しめるモンに変えていった。
その次の日も、次の次も。毎日、ハチヤはオレの言う通りにした。


どこまでも従順なハチヤ。
オレを好きだと泣くハチヤ。
オレを愛してるって言うハチヤ。

じゃオレは?
オレは、どうなんだろう?
オレの毎日は、信じられないくらい変わった。
ハチヤとヤッた事で、なにか螺子が飛んだのかも知れない。
だけど、それがハチヤを好きかどうかには繋がらなかった。
好きってなんだ・・?
ハチヤはそう言って泣く。
どうして泣くんだろうな。


好きがわからない。


大事なようで、どうでもよかった。
ハチヤとセックスできれば、それでよかったから。




二週間近く、ハチヤとセックスだけしてた。
だけど、急に思いつく。

学校でも、ハチヤを抱いてみたい。

声殺して、誰もいないカウンセラー室でハチヤを抱いて
みたくなった。
そんな不純なオレをハチヤはやわらかい笑顔で迎えてく
れた。
次第に、自分の周りも見えてきた。
何も感じなかった、周りのニンゲンにも気づいた。

あ、いたんだなって。

ソイツらも、オレに気づいたみたいだった。
それをハチヤに言うとハチヤはそれでいいんだってオレに
キスした。
「なぁ、ハチヤはなんでオレの言う事聞くの?」
「・・・・好きだから。・・・わかんねえかな?」
仕方無いって笑うハチヤ。
「かわいくて、かわいくて、しょうがねーのオレは。ジュ
ンヤ、もしオマエが犯罪者になっても、オレはオマエに
抱かれるよ」

そのセリフをオレはきっと生涯忘れない。

少しだけ、好きだってキモチがわかった気がした。
ハチヤが泣く意味が。
オレも少しだけ、目の奥を濡らした。

だけど。目を瞑って。
それはハカナク乾く。












ハチヤとは。
卒業まで続いた。

卒業してから、オレはハチヤに会わなかった。
ハチヤはセックスのセンセイだった。

それだけ。
それだけだ。
目を瞑れば、ハカナク。


オレはハチヤから卒業したんだ。
そう思う。
























「好きだったんじゃねえの?」
ササメが煙を吐き出す。
「好きかぁ・・・。どうだったろ。アイツはオレのセンセイだよ」
聞いたササメが噴出す。
「エロい先公。オレもヤラせてもらえば良かったな」




深く煙を吸い込んで吐き出す。


煙は、空の青へ溶けて、消えた。
口の中はまだあの味を覚えている。







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