「暑い」
背中にワイシャツがひっついて、動くのも
イヤになる。
コレを着てる姿だって相当マヌケだろう。
汗ビッショリって事実がもうオレのレベル
を下げている。

レベル?
どーせね。
オレなんてね。
クラスの女子にどう思われてたって、ね!

ショセン、犬とヤッちゃうような男なんだよ、
オレは!



心の中で叫んで、オレは机に突っ伏した。
「・・ヒーンッ・・」
ついでにちょっと泣いてみた。
すごく惨めだ。
犬に毎日みたいにヤラれてるオレ。
なんで、なんで、アイツ犬なんだよ・・!
(実際はオオカミ)
犬じゃなかったら・・、すんげえカッコイイ
お兄さんって感じで、甘えん坊で、オレにし
か懐いてないみたいな優越感とかもあって、
結構お洒落で、車なんか運転しちゃう、結構
気に入ってる、・・本当言うとマジで好きに
なっちゃってて・・だけど。

だけど・・。
なんで。
なんで、アイツは・・・・Hの時、犬になっ
ちゃうんだよォォォ!!




すっかり犬のチンポを突っ込まれる事にも慣れ
た今日この頃。

イヌもすっかり、人間の姿でヤル努力をする気も
無くなっている。
オレをうつ伏せにした時なんかはもう挿れる前か
ら、犬に戻ってて、ケモノバージョン丸出しで突
っ込んでくる。
その長さがたぶん30cmはある。
計ってネエケド。
そして、犬のチンポの恐ろしさは、射精直前だ。
根元までをオレの中深く埋め込み、ドクドクと
肉棒を膨らませてくる。その根元の大きさなんて
見た事も無いからどんな太さになってるかなんて
知らない。
だけど、オレの中から犬のチンポが抜けないよう
に、完全にオレの中で射精するために、犬のチン
ポの根元に瘤が出来るらしい。
それがギチギチにオレの中で膨らむとオレの身体
は、もうどうしようもなく崩れてしまう。

も、もう、好きにしろよぉ・・っついてけないっ
つーの・・!!

絶対に抜けない事を知ってる犬は、そこからがホ
ンバンってわけで、抜けないのをいいことに、ガ
ンガンに突き上げまくって、オレの背中に涎とか
垂らして、ハッハッ言いながらイク。
そのイッてる間、犬はオレの身体中をペロペロ舐
めてきて、器用にオレの身体を仰向けると、その
ザラついたベロで乳首を転がしてくる。
舌の動きが早いから、ホントに乳首が取れちゃう
んじゃないかと思ってオレはその顔押しのけるん
だけど、しっかり結合して、オレに跨ってる犬は
びくともしない。
「も、やだぁっ」
犬が動くたび、その体毛がオレの身体中を刺激す
る。
触れる場所全てが擽られて、内股なんか、タマン
ナイ!!
もし、チンポが這入ってなかったらもう笑い転げ
てHどころじゃないと思う。
だけど、コイツは前戯まではりっぱなヒトの姿の
で、それがまたスゲエ色っぽくてイヤんなる。
キスされて、抱き締められて、なんか抵抗出来な
くなるんだよ。
で、もうオレもシたいって気持ちになって、イヌ
がオレの足を広げて。
熱い感触がして。
「イヌ・・」
って、見るとイヌは犬になってる。




ワザとじゃねえの・・コイツ!!




「シアン、次は一緒にイこうな」
「つ・・ぎ・・?うそ、ムリ・・・ウゥ!!」
犬がオレの中でまた出す。
身体がブルッて震える。
身体の中が擦られて熱い。その中へまたさらに熱
いモノを掛けられる。
それが上へ上へと這い上がってくる。
「苦し・・いっ早く抜いてっ抜いてっ」
これ以上中で出されたら破けるっ
オレの悲鳴を聞いた犬が、腰をグイッと動かした。
「ンンーーーー!!」
「シアン。まだ抜けない。まだ出る」
「うっそぉぉぉ〜〜〜!!!ああ、苦しい、よぉっ
イヌ、苦しいっ苦しいよぉっ中がっ熱っ・・!」
「シアン頑張れ、昨日しなかったからだ。少し量が
溜まってる。シアン、頑張れ。シアン、好きだ。
全部出したい。全部シアンの中で」

こ、コイツ・・・!!鬼!!












「シアン、今日七夕祭行こうぜ」
「ナンパ、ナンパ〜!」
顔を上げると、キシネとタダが立っていた。
オレが苦悶してる間にHRは終っていた。
「タナバタ・・・」
「そうそうナカヒロ公園とこ」
一週間程前から公園は飾りつけられ、夜店が並んで
いる。今日がその最後で花火も上がるらしい。

そっか・・タナバタかぁ・・・。

イヌと行きたい。

素直にそう思いついた。
「ゴメン、オレもしかしたら親戚と行くかも」
咄嗟だったとは言え、オレはアホな事を言った。
今時の高校生が、親戚って。
どんな親戚だ。
「ああ、同棲してる相手だろ、ソレ」
キシネがサラっと言った。
「ああ、・・あの背高けえオニイサンか」
タダも言った。
そして、またキシネが言う。
「そうそう、たまにセルシオ校門に横付けしてん
じゃん。あのヒトだろ」
二人が全部知ってるんだぜって顔で口角を上げる。
「な、な、な、何言って・・?オレはマジ親戚と」
オレの右肩をキシネが、左肩をタダがポンポンと
叩いた。
「じゃ、帰ろうぜぇ」
「おう」

ムダだった。
弁明の余地無し。
オレはたぶん顔真っ赤にして、俯いて二人の後を
歩いた。
なぁ・・・こういうのって、オレ、本当ならスゲ
言い訳して、釈明して、違うから、違うからって
言うとこじゃないのかな・・?
言っといた方がいいんじゃないのかな・・!?

「き、キシネ、タダ!」
二人が振り向く。
「オレ、別にサ。ソイツと付き合ってるとか、エ
ッチな事してるとか、ゼッッンゼンッそんな事な
いからッあの、ただ、一緒に、な?住んでるって
だけで」
「うん。わかってる。うん。な、コーラ買ってや
るから。な?」
「う、うん」
それでオレはキシネに頭撫でられた。
いいこ、いいこ。

うん、オレ、完全に見透かされてる。
もう、どうしようもなく落ち込みそうだった。
だって、コイツら全部全部どこまでかわかんない
けど、全部知ってるって顔なんだもん!!
汗が止まらない。
誰も犬とセックスしてるなんて思わないだろうけ
ど、男とセックスしてるとは、思われてるんだろ
うな・・・っ

どんどん顔が下がってって、そしたらタダが。
「今度紹介しろよ?シアン」
って笑った。
「・・・・うん」
オレは小さく、ほんのちょっと頷いた。

ああ、オレ穴があったら這入りたいっってヤツだ!!


教訓だ。
あんまり堂々と送り迎えとかしてもらっちゃダメだな。
ちょっとオレ甘えてた。
アイツ何でもいいよっていうから。
マンションに入るのも、きっと別々とかにした方がい
いのかも・・・。

「シアン。痛い事されたら、オレらに言うんだぞ?」
キシネがオレの顔を覗き込んで、また頭を撫でた。
「うん・・・。大丈夫・・」
「それだけが心配だったんだよナ、オレら」
タダもオレの髪をくしゃってやる。


コイツら・・・オレを心配してくれてたんだ・・・。
って、涙出そうになったのに。

「あ、ヤル前にはジェル使ってもらえよ?」
「よっく洗ってもらってからな」


コイツら、サイアク・・・!!



で、オレはコイツらから走って逃げた。
ううっ明日からの毎日が戦争だ・・!



















マンションに帰ると、イヌがシーツに包まってた。
まるで朝からずっとそのまんまで居たみたい。
ま、確かに犬ってずっと寝てる気がするけど・・・。
オオカミもそうなのかな?

「イヌー、七夕祭行こうよ」
キングサイズのベッドの上、膝立ちで近づくとイヌが
ムクっと起き上がった。
シーツが肩から落ちる。
「シアン、おかえり」
イヌがオレの腕を引っ張って、オレの顔を舌で舐めた。
「な、舐めるなよっ」
「シアン、今夜は一歩も外に出るな。オレと居ろ」
イヌがオレをすっぽり抱き締めた。
「え。なんで」
無理に上を向いてイヌの顔を見ようとした。
そしたら、唇をぺろって舐められて。数回舐めた後に
舌がオレの口の中に這入ってきた。
「んー・・」
「今日はオレとずっと一緒にいろ。シアン、オレが好
きだろ?」
「す、スキだ、けど・・。今日はお祭なんだよ・・?
行かねーの?オレ、イヌと行きたいから、友達断った
のに」
「彦が来るんだ」
「・・・誰それ」
っていうか、イヌの知り合いみたいの、初めて聞く。
「天の川の使いだ。ここ最近姿を見せてる。オレの所
へ今日アイサツに来る気だ」
「ふーん・・・お客さんか。・・って!彦星とか言う
んじゃねーだろうな!?」
「・・・・」
「・・・・付き合いきれネエぞ、オレは。オレ、友達
とお祭行ってこよー」
オレはイヌの腕がまきついたまま、携帯を取り出し、
キシネの番号を呼び出した。
その時。
イヌの手がそれを奪うとポイッと部屋の壁へ投げつけ
た。
ガンッて重たい音が壁と床で一回ずつ鳴った。
「・・・・て、テンメー・・!!オレの携帯っ」
「今日だけはここにいろ。祭には行くな。オレから離
れるな」
「ウルサイッ!オレは行くっつったら行くんだよ!!
離せ!このケモノ!!犬!!淫獣!!」
オレは滅茶苦茶に暴れて蹴って、シーツぐちゃぐちゃ
にして、最後。
イヌの腕に噛み付いた。
「イッ」
イヌが力を緩めた。
その隙にオレはベッドから駆け下りて、そのまま玄関
を飛び出した。
「シアン!!」
扉を閉じたのに、その呼び声が近くて、オレは慌てて
階段を駆け下りた。
駆け下りてく途中で、このまま下りてったら、エレベ
ーターをもしイヌが使ってたら鉢合わせる、と気づい
て、3階の踊り場で足を止めた。
するとそこに。
「何やってんだ?」
見上げると、いつの間に後ろから下りてきてたのか。
日焼けした男が立っていた。
キツイ目元。
ノースリーブのシャツから金銀の鎖。
髪はもう白っぽいような金髪。
なんか・・ガテン系・・サーファーかな・・強そう。

「や、休んでる」
「ふーん。・・・な、ヒマ?」
チャリンって音がして、見ると、両手に皮製のベルト。
そこに切れた鎖が繋がってる。

オッシャレー・・。なのか?

「なぁ、お祭やってんの、見に行かねえ?」
って笑った顔は全然怖くなかった。
その手がオレに差し出されて、でもオレが迷ってると
反対の手が伸びて、オレの右手を掴んで、自分の差し
出してる手と繋がせた。

で、よしよしって笑ってる。
なんか、・・面白い。
携帯も壊されちゃったし・・、ま、いっか。
このヒトと行っても。

本当は少しだけ、イヌが追っかけてきてくれるの待っ
てたかったけど。
でも、どうせアイツは行く気なんかないんだし。
帰ったらセックスなんだろうし。


そうだ、と思って聞いてみた。
「ここに住んでるヒト?」
「いや、誘いに来て振ラレタ」
「フーン。勿体無い」
って笑ったら、彼も、
「だろ?」
って笑った。
だけど、次の瞬間オレは真っ青になる。
「オレ、彦。お前は?」

・・彦?。
今、彦って言ったよね・・?

『彦がくる』


イヌの声を思い出した。
喉が鳴る。
イヌは、イヤな顔してた。
彦がくるって。

「名前くらい教えるもんだろ?シアン?」
オレは目を見開いて、彦を見た。
彦の手がオレの目の前を覆った。
顔を掴まれて。
オレはフッと意識を失った。













気がつくと夜だった。空が見えて、満天の星。

あ、アレ、天の川・・だ。

「目が覚めたな」
「誰・・?」
「彦さ」
釣り目のガテン兄ちゃんの顔がそこにあった。
「・・・・ここ、どこ?」
見渡す限りが砂だった。
「オレの秘密の場所」
「あー落ち込んだ時とか必要だもんね」
って、出来るだけばかっぽく答えたのに。
「オンナとヤルための場所だよ」
って彦はなんでもないように答えた。

オレが一番聞きたくなかった台詞を、コイツ・・!
イヤな予感がする。
「帰る。帰りたい」
「まあ、待て、これから星が散る。綺麗だぞ。どれ
からいくか・・・お前に選ばせてやろうか?」
彦が空に霧のようにかかる星を指差した。
「・・・何のこと?」
オレは肘を取られて、立ち上がれなくなってた。
「お祭さ。年に一度だけオンナを抱く日だ。今年は
お前に決めた。お前が今年のオレのオンナな?」

オンナな?って。おい。

「・・・・ここ、どこ?」
「・・・・月だよ。お前達がいうとこの」
「うそ・・・」
青褪める。
「ホント。真っ暗だろ?」
彦はにっこりと微笑んだ。
それから素早くオレの顎を取って。
唇が。
唇に。

なんでオレ・・・抵抗出来ないんだろ・・?
彦の舌がオレの口の中でくちゅくちゃ言ってる。

キモチいー・・。
オレ、どうしちゃったんだろう・・。
イヌじゃない相手に・・。
そうだよ・・。
イヌじゃないのに・・。
好きにさせて・・・、オレ、ヤなのに・・。
身体が・・動かない・・。

砂まみれの制服を脱がされてく。
釦が外されて、胸を肌蹴られて、彦の手がオレの
乳首を摘んだ。
「ん」
その間も彦はキスを止めない。
唾液が溢れて、目が眩んだ。
「ストップそこまで」
その声に、オレの身体がビクッとなった。
だって、その声は。

イヌ・・・!

ブラックのスーツの前を開けて、イヌがコッチへ
歩いてくる。
「マジ来やがった。人狼め」
「オレのテリトリーで随分派手に遊んでくれたな。
この淫獣ヤローっ・・シアンおいで。もう大丈夫だ」
「イヌ・・・」
彦とキスしてるとこ見られたっ
オレ、何やってんだろ・・!!
何気持ち良くなってんだろう!?
オレは自分がどんな顔してんのか恥ずかしくなって
顔を背けた。
「イヌ!?イヌって呼ばしてんのか?お前が!地の
神様だろお前!アオオオカミ様だろうが!」
彦が大笑いする。
「そう。シアン、ゴメンな。キスされたな?コッチ
も触られたのか・・。悪かった、遅くなって」
イヌがオレの横に膝をついてオレの脇に手を入れる
と自分の上へ抱き上げた。
途端に泣きたくなった。
オレはイヌの首にしがみついた。
「砂漠まで逃げるなんて、お前も相当ヒマだな。オ
レのシアンはダメだって言っただろう。可哀想に、
シアン。シアン?大丈夫か?」
彦が呆れて、砂に寝転んだ。
「バカバカしい。甘やかしすぎだろお前。ちょっと
カワイイくらいのガキじゃねえか」
イヌの目が細くなる。
「ヤキモチか?」
イヌがオレの髪にキスした。
「イヌ・・っ」
彦が舌打ちする。
「何だよ、もう正気に戻ったのか。淫獣の面子丸つ
ぶれだぜ」
「挿れた時点でオレはお前を食い殺すぞ。そうすれ
ば、お前の鎖を外す馬鹿もいなくなる」
「誘惑に乗る方が悪いんだ」
「100年経ったら相手をしてやる。もうオレの所
へ来るなよ」
「なんだよ、匿ってくれねえのかよ」
「もう潮時だろ。どんなオンナか知らないが食って
やれ」
二人がクスクスと笑い合ってる。
それで、イヌがオレを抱き上げた。
「帰ろう。帰って、シャワーを浴びてキレイに砂を
流してやる。そしたら、今日はちゃんとヒトの姿で
シような?シアン」
言って、イヌがオレのおでこにキスした。
目をギュッて閉じたら、涙が零れた。
「イヌ・・・っごめんっごめんねっ」

言うコト聞いてれば良かった・・っ
・・イヌ・・助けに来てくれたんだよな・・?

「オレの悪友だ。もう二度と会わせないけどな。シ
アン、もう一度目を閉じろ。次に目を開いたら、オ
レ達の部屋だ」
「ん」
イヌの唇がオレの瞼に落ちた。

オレはまた目を閉じた。
目を閉じながら、身体がフワフワに包まれるのを感
じた。
きっとイヌだ。
オオカミに戻ったんだ。
なんだよ・・・ヒトの姿でシよって言ったくせに・・。
そこまで思って、後はもう何も考えられなくなってた。






















目が覚める。


部屋はもう明るくなってた。

あれ?・・・裸だ。

隣にはぐっすり眠るイヌの姿・・。
ヒトの姿だった。

「・・・・・」

えーと・・?
オレも裸。
コイツも裸。

で、今は朝。

・・・・・。

寝てるうちに・・・マサカ・・ヤッたとか言わない
よな・・!?

「シアン?もう朝か?よく起きられたな」

よく、オキラレタナ?
オキラレナイような事したって意味か?ソレは・・!!



「イヌーーーーーー!!!!」

テメー!!オレ何にも覚えてねえぞ!?
本当にヒト型で、シたのかよ!?

・・・悔しい!!

オレはイヌの上に跨ってその腹をバチバチ、パンチした。
「かわいいな、シアンは」
イヌが笑ってオレを抱き締めた。
でも、その後に。
「もうカミ様ってつくとこ(祭)には行くなよ?」


・・・・・マジで?








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