野球の試合は、雨で中止になったりするけど、サッカーは
雨でも雪でも試合続行。爆破予告でもなけりゃ、中断なんて
有り得ない。
少しの雨だったら聞くなボケ!くらいの勢いで、やる。
さすがに、部活の練習は雨が降れば室内に切り替わるけど。

そんな雨の日だった。
オレは決断を迫られていた。
一通の封筒。古典的な告白。返事は昼休みに、音楽室で。
顔も知らない女だったから、北村に友達づてで、こっそりと
教えてもらう。
林田愛香。愛が香る名前。
美人だった。
清楚な雰囲気を持ったお嬢さんって感じ。

「スゲー、ラッキーだな、モリヤ〜〜〜ッ」
北村が自分が告られたみたいに、小躍りして喜ぶ。
「お前のその冷たい顔のどこに惚れれるのかはナゾだが」
「えっオレって、んな冷たい顔してるか?」
思わず、顔を触ってしまう。
「あ、無意識なんだ?よく眉間にシワ入ってるから、なんか
ムカついてんのかな〜?と、人々に、思われておるぞ。恐そ
う〜って、女子なんか。お前、見た目端正なだけに怒ると迫
力だから」
知らなかった・・。眉間をさすりながら改心。
「気を、つけよお。」
「おう、がんばれ。もちっと愛想が備われば、我らがワタヌキ
先輩も、お前を蹴ったり、小突いたりしなくなんだろ」
!!、だから、蹴られたのか!?
「・・なるほど。ところで音楽室ってどこよ」
「あっちの校舎の二階か三階だった」
北村は理科棟を指差す。
昼休みまでのタイムリミットは後、2時間。
だが、オレのタイムリミットは別の問題でカウントされている。
ワタヌキ。
アイツにこの事を言うべきか否か。
なんとなく、わかってるんだけどアイツがオレに対してとか。
でも、ハッキリ言われたわけでも無い。
そもそもオレ達の関係って何括りになるわけだ?
キスして抱き合って、カキっこして舐めあっちゃったりしちゃっ
てたりするんですが、コレは、ズバリ友達とは言えないよな。
恋人・・・の関係にかなり類似してる、とは思うんだけど、
ぶっちゃけ好きだなんて言われてないし、オレだって言って無い。
好きか嫌いかで言えば・・・・、憎めないって感じ?(好きか嫌
いかで言ってないし!)
うーん、ハッキリ言えば、オレから好きだ、なんて言いたく無い。
だって、勝手にあっちが好きになったんだろうし、なのに、アイツ
が、告ってないのに、なんでオレが告るよ?
いや、そんな事よりもアイツに彼女はいるのかどうか?
いるんだったら、オレに居たっていい訳だし?うん。よし。
それだけ聞いてみるか。彼女いるのかどうか。・・・・居ない場合、
オレはどうするべきか・・?
と、三時間目の休み時間、携帯を開いてはみたが、掛けられずに見
つめていると、丁度、ワタヌキからの着信。
「モシモシ?」
『モリヤ?』
ワタヌキの声。微妙に笑ってるような機嫌のよさそうな声だった。
「うん。何?」
『ちょっと降りて来いよ。二階の中央廊下にいるから』
「え、もう鐘鳴るけど」
『少しだけだ』
顔でも見たいって事?
「わかった。今行く」

オレはのこのこ赴いた。ここで教訓。
ワタヌキの甘い声には絶対騙されるな!
そうオレはもう二度と騙されない!!

のこのこと出向いたオレをワタヌキは射殺さんばかりに睨みつけた。
「センパイ・・何デスカ?」
ここでもオレは失敗している。何デスカじゃない。何カ御用デスカ
位い言っておくべきだった。
冷え冷えとした眼光。
アンタさっきのネコ撫で声はどこいったんだ。
オレの顔が冷たいなんて比べ物にならない。こんな相手とマッチア
ップしなきゃならない奴は悲惨だろうな。
「来いよ。モリヤ。逃げたらただじゃおかねーからな」
キスされるのかと思う位、近くでメンチきられて(睨まれて)、
オレは喉に舌が詰まった。
何だ?何なんだ?何でこのオトコはこんなマックスな怒りをオレに
ぶつけてくるんだ!?
訳の分からない不安が、オレの耳元で鼓動を大きくさせる。

一度も振り返らずに、ワタヌキは中央廊下から理科棟に渡り、
右に折れる。そのまま真っ直ぐ行って、突き当たりの教室の前で壁に
寄りかかった。
再び、あの鋭利な眼光がオレを突き刺す。
「入れよ」
音楽室。
まさか・・。まさか、知ってる訳無いよな・・?
オレは厚みのある防音扉を開けた。
中は段差は低いが階段席になっている。その一番奥の席に並んで
オレ達は座った。
狭い・・。
作り付けの机と一枚板の椅子が余計にこのオトコをでかく感じさ
せる。
ワタヌキは肘をついてオレをぶすくれた顔で睨んでいる。
オレはチラリとだけ見て、視線を前に向けた。
怖エェ〜、見れねーよ!
かなり気まずい雰囲気。自分の呼吸の仕方も忘れそうだった。
暫くして、フーとため息が聞こえて、ワタヌキの手がオレの首に回
される。引き寄せられて、唇が触れる前に舌が入ってくる。
初めから切羽詰ったようなキス。
舌を絡ませて唇を合わせてると、もう何も考えられなくなってきてた。
もういいや。好きにしろよ。
体の力を抜くと、なんとなく、なんとなく押し倒される。
ここで?大丈夫かよ・・?こんな隠れるとこ無いとこで・・。
案の定、ワタヌキの手がベルトに掛かる。
「センパイ・・・」
「黙れよ」
耳朶を噛まれ、首筋を舌が這う。
あ・・・、なんか、これって・・・アレっぽい・・。
アレ。セックスっぽい・・、やばいって。
だけど、オレにこのオトコを止める術なんて無い。どうやったて適わ
ないんだから。
だけど、反射的にその手を押さえてしまう。こんな風に触られる事に
慣れてない体には、抵抗がありすぎる。
「センパイ・・ッ」
裸の胸と胸を合わせて、キスされた。その間に腕がセンパイのタイで
縛り上げられる。
わかってて許してる。いいよ。縛っても。何したっていいよ。
アンタがそれで納得するならシテいい。
そう思っても、恐怖が立つ。視界が曇って何も見えない。そこに、
ワタヌキがやさしいキスを落とす。瞼を閉じると紅く燃えてるようだ
った。目が熱い。
ワタヌキの唇が再び、降りていく。体中を探るように、調べつくす様
に、舐める。乳首を吸われたのなんて初めての経験だった。
キュッと摘まれて、ヒリヒリと痛くなった乳首を、今度は舌でやさしく
嘗め回される。左右の乳首がヒリつく頃にはオレのチンポは涎を垂らし
ていた。触られたくて疼いてた。
だけど、ワタヌキは体を引いてしまう。オレは大きく息を吐いた。
快感を逃すために。
その時オレのケツにスルっとワタヌキの指が挿れられた。
「ウァ!・・・センパ・・ィっ・・ヤダ。それ、ヤダよ・・」
「ゴムつけてるからヘーキ。深呼吸しろ」
そんな無茶な・・。オレの頭も体も訳が分からない状態だった。
それを察してか、オレのチンポをワタヌキが咥えた。
「ンン!!」
途端に力が抜ける。
ゆっくり舐め上げられながら、指もゴムのオイルの助けでズルズルと
侵入してくる。自分のケツ穴が無理に開かされたせいでヒクヒクしてる
のがわかる。
苦しいのに、チンポは気持ち良くて、感覚が麻痺してくる。
グリッ。ワタヌキの指が何か押し上げるような動きをした。
「んんんーーーーー!!」
ボタッとチンポから雫が垂れる。その鈴口をチロチロと舐められて
体が仰け反った。
「ダメ。・・ダメ・・・ダメ・・」
オレは頭を振って懇願した。だけど、ワタヌキはしつこく穴の中で指を
グリグリ動かした。
「アッ・・・・・・!!」
「気持ちイイだろ・・?お前、わかってる?今、お前イってるって」
ウソ・・・。
オレは少しだけ顔を上げて下半身に目をやる。
オレのチンポは今まさに白い筋をダラダラと垂らしている最中だった。
こんな射精、見た事無かった。勝手に溢れてきてるみたいに、ダラダラ
と、白液が流れている。
唖然として見つめていると、指をまた動かされる。グリ。
「アアッ」
頭の中が真っ白になった。
ワタヌキは何度も何度も繰り返した。何回イったかわからなかった。
快感に喘がされて、体がグズグズに崩れていた。

だが、その瞬間、頭が一気にクリアーになった。
何時鳴ったのか鐘の音にも気づかなかったのに、ガチャっと扉を開く音
が鮮明に聞こえた。
飛び起きそうになって、ワタヌキがジっとしてろと囁いた。
確かに、寝そべっていれば人がいるなんて気づかれないかも知れない。
ワタヌキはワイシャツのボタンを一つ二つとめただけで、裾も仕舞わず
に、下へ降りて行く。
「あ、」
オンナの声。
彼女だ。林田さん。きっと彼女だろう。
「コンチハ」
「こんにちは・・」
戸惑いがちの彼女の返答。オレを知ってるんだからこのオトコを知って
るには違いない。
でも、それだけで会話が途切れる。
まさか・・と思う。このままオレを置いて出て行くつもりじゃ・・!?
「ふーん。確かに美人だ」
「えっ」
再び、沈黙。
暫くして、ワタヌキのクスクス笑いが聞こえてきた。
「逃げねーの?このままキスしちゃってもいいんだ?」
愕然。
信じられねえ。オレをこんな風にした口で、今オンナにキス迫ってるって
事デスカ!?
「マジでキスするわけねーだろ。行けよ」
ワタヌキの冷めた声。
と、同時にバン!と扉が閉まる音が聞こえた。
「モリヤ、あの女、オレでも良かったみたいだぜ?」
ワタヌキの靴音が上がってくる。
覆いかぶさるようにキスをされる。
「北村、アイツが言ったんだろ?」
「そ。今日雨ですけど部活ありますか〜?って来た時にな」
北村め〜〜〜!アイツの出身校は軟弱チームか!?雨が降ったらお休みかよ!
「オレだけにしとけよ。他にはいらねーだろ」
キス。
目頭が熱くなった。泣いてる。オレ、絶対誤魔化せないくらいに泣いてる。


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