とにかく裸になって抱き合いたかった。

セックスってなんなんだろう?

体を繋げるって事の意味は?

気持ち良くなるため?射精するため?

違う。違うと思う。

たぶん、お互いを支配するための儀式。

それが、メチャクチャで、今まで知らなかった感覚で、言った事も
無いような言葉で、体で、全てが、相手にしか見せられない事で、
秘密の快感で。

オレが自分で初めて知る。

アイツに触られてひどくビクついて、なのに、イヤじゃなくて、我慢できて、
頭で考えるより、血とか肉とかそんな単位で、アイツを欲してる自分がいる。

目を開けて眩暈を起こす。
居るはずの無いアンタの幻。
自分の上に重なってくるアンタの影が、オレを襲う。
ワイシャツのボタンを外しきらない格好で、オレの首筋を唇で辿ってく。

ああ、オレ、犯されちゃうよ。
アソコが熱く感じる。
オレはアンタに腕押さえつけられて、ガンガンに腰打ちつけられて、突き上げ
られる度に射精しまくってる。
アンタの肉がオレの中で動いて、アンタは・・、アンタは・・笑ってて・・・。


「ッッ!」
目が覚める。
真っ暗な闇の中。もちろんそこは自分の部屋で、自分のベッドで。
髪が濡れる程の汗をかいて、オレは現実に目を開いた。

ああ、アンタのイク時の顔ってどんな顔なんだろう・・・?

オレ達はまだ、セックスしてない。
それが、こんなにツライ事だと思わなかった。

あのギリギリの線で、オレは助かったと思ったはずだったのに。
事実、学校で最後までできるわけないし、オレ達はまた日常を演じてた。
だけどあの体験は、オレを追い詰める。
授業中だって、部活の時だって、フとした時に、何度も何度も思い出して、
思い出すだけじゃ足りなくなってくる。
アンタの顔を見た時、もうどうでもいいから、狂ったようにキスしてやりたかった。
学校だろうが廊下だろうが教室だろうが関係無い。
アンタが悪い。オレをこんな煽るから。明日、我慢なんてもう出来ないかも知れない。
ジリジリ焼き切れそうな神経。

現に今。
オレの体は名実ともに追い詰められていた。
ビンビンに起ち上がったチンポに溜息がでる。あの快感は右手なんかじゃ生まれない。
だけど、このままで、また寝れるような状態なんかじゃない。

死ぬ程体が疼いてる。

オレは携帯を手にした。
自分から掛けたことのない番号を呼び出す。
狂ってる、って思う。
何時かもわからない夜中に、オレの事情で叩き起こして、そして、どうするって?
ついに、呼び出し音が止まって、アイツの声がした。
『・・犯すぞ・・テメェ・・』
寝起きの不機嫌な声にオレは満足して声を出して笑っていた。
「いいよ、センパイ」
『・・・言ったな。・・・・何時なんだよチキショー・・・二時・・?オレさっきだぞ、
寝たの・・・。』
スゲー不思議。今までの苛つきが晴れてく。(ただ単にこのオトコを困らせられて満足なのかも)
たまには、本能のままに行動するのも必要だな。
「起こして、スミマセンデシタ。もう、切りマス。オヤスミナサイ」
『行く』
「は?」
『今から犯しに行く。寝るなよ』
ブツ。ツーツーツー・・

えーと。こういうの何て言うんだっけ?ワザワイテンジテフクトナル?
違う!!逆だろ!逆!!



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