モリヤ ナギの受難。



「どうすりゃ、アンタがオレを一番好きだって思う事が
できるんだろう?」

オレの素直な気持ちに、ワタヌキの顔に熱が広がる。

もう一押し。
オレはワタヌキの隣で空を見上げながら言ってみた。

「オレ・・・いつもアンタに流されちゃってるけど、
オレだってワガママ聞いて欲しい時だってあるんだぜ?
時々でいいから、オレのワガママ(懇願)も聞いて欲
しい。それってオレが好きって事じゃねぇ?」
語尾と共にワタヌキに顔を向けると、その目が困った
ように瞬きした。
「そうだな・・聞いてもいい」

ヨシ!!
(小さくワタヌキに見えないようにガッツポーズ!)

いつも、いつも、いつも、いつも!
アンタは勝手なんだよ!
今だって、誰が、シていいって言った?
しかも、中でイキやがって、メチャクチャ出しやがって!
後でオレがどんな気持ちになるかわらねーだろうけど。
自分で洗う時。
アソコ使って慰めてる気持ちになるんだぞ!?
しかも、全部なんて絶対掻き出せない。
後から絶対タラって出てくる。
そのせいで、いつまでも、オレはオマエに犯されてる感
が拭えないんだ!
だが、これを機に。
オレは拒否権を行使する!!
もう、オマエの好き勝手ヤラせるか!





その日の部活は、最高にキレた。キレキレ。
パスもシュート練習も思った場所へ入る。
気分も新たに、決心したせいだろうか?(でも実は二度目
の決心)

オレって、サッカー上手くなったのかも・・。
ずっと基礎練習ばっかでつまんなかったけど、ま、アイツ
がいるから練習サボル気になんてなんなかったけど。
頑張ってきて良かった。
5月の関東大会には出れなくても、自分の成長に期待が膨
らんだ。

「ナギ、帰ろうぜ」
練習が終わって、グラウンドから引き上げる時にワタヌキが
手招いた。
「あーじゃ待っててクダサイ」
「いいぜ。(ヒト)足りてるから、先帰っても」
コソっと北村が耳打ちしてくる。
北村は、どうも昨日ワタヌキのキレたトコロを見て引いている。
「ふーん。じゃ帰ろ。ヨロシク」
「おう。オレの事怒ってないか探っといて」
「ハハ。お前、ビビリすぎ」
オレがワタヌキに追いつくと、ワタヌキがオレの肩を抱いてくる。

オイ・・!

横を睨むと、その顔が笑っている。わざとだ。わざとそういう事
してオレをいじって遊んでる。

「今日、ウチ来いよ」

キた。

「行かない」
即答。
気持ちイイ!

ワタヌキの足が止まる。
木の陰に手を引かれて抱きしめられる。
「もう、なんもしねーよ。一緒に、いてーだけだよ・・わかれよ」
「センパイ。・・・ウソつくな、勃ってきてんじゃん、センパイ!」
「しょうがねーだろ?オマエとくっついてるとこうなんだよ。
条件反射なんだよ」

スゲー、オレ。ついにワタヌキの反射情報にまでプログラムされてる。

「オレの言い分も聞く約束。オレを好きだから聞いてくれんだよな?」
「ん?・・聞く聞く。なんだ?」
「今は特に無い」
「なら、言うなよ」
オレ達はワタヌキの家でシャワーを浴びる事にして、ジャージのまま
チャリに乗った。
二人でバカみたいにはしゃいでシャワーを浴びて、結局フロ場で立った
ままシた。
体中を泡のぬめりが包んだせいで、オレとワタヌキの快感は倍増した。
肌が滑る刺激にしがみついた。
「センパイ・・!」
「ヤだ。中で。」
「ダメだって」
「なら、ヤメる」
ワタヌキの腰が引けそうになって、オレは鳴いた。
「アッんっヤ、だ」
その声に、ワタヌキが応える。
「ナギ、イイって言えよ。中でイッてもイイって。気持ちイイって」
浴室効果で声がやたら響いた。アソコからする音もハンパ無い。
「うっあ、あぁ、い、い。い、い、よ、もう」

最後にはオレは許してしまう。
ああ、オレのいい分は何処へ・・・。
意識は、そこで一度ブッツリと途切れた。




気がつくと、ベッドの上だった。
電気がついていた。テレビの音もしてる。
オレはボウっとワタヌキの姿を目で探した。
見慣れたシンプルな部屋。作りつけの棚とクローゼットのおかげか
たいしてモノが無い、広々とした部屋だ。
ワタヌキはベッドの足元の方でケータイをいじっていた。
スゴイ真面目な顔でその画面を覗いている。

あ、れ、・・オレの携帯。

ガバッと起き上がるとソレをワタヌキから引っ手繰った。
顔が真っ赤になるのがわかる。
「センパイ・・」
「・・・見ちゃった〜、オレの、隠し撮り?」
ワタヌキは満面の笑みでオレの横へ倒れてくる。
オレの携帯には、こっそり撮ったワタヌキの写真が保存してあった。
この部屋で寝ているワタヌキ。
制服のワタヌキ。
裸の背中。
それを、見られた。
「・・・サイアク。・・ヒトのもん勝手に見るなよ・・!」
今更、真っ赤になって怒っても迫力も何も無い。
「あ〜マジでオレも撮っときゃ良かったな、今日の」

聞いちゃいねーよ。

ワタヌキは今度は自分の携帯を開いて、あ、と言った。
「何?」
ワタヌキの顔が固まっている。
携帯からは声が聞こえてくる。
『ナギ。オレが好きだろ』
『・・・だから、なんだよ』
『だから、シたいんだよ』
『ガチャガチャ』
『こっここで?』
『ナギ』
『あ、・・すぐ、無理だって・・・ア、ふ。・・んん』
そこまで聞き入って、ワタヌキの手ごと画面をこっちに向ける。
微かに何かが動いている気配。
ピントの合わないヒトの肌が見える。

これ、オレ!?
オレと、ワタヌキ!?

オレは急いで、電源を強く押した。
byebyeの画面がメロディと連動して、すぐ後に画面が真っ黒になる。
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
ワタヌキはオレの頭をポンポンと叩いてから、そっと携帯を取り
上げると、ソレを机の中へ仕舞う。そして、そこへ鍵を掛けた。
「・・・・い、まの、何?」
やっと出た言葉は、うわづっていた。
「おっかしいな〜・・・オレ、写真撮るつもりで、・・・ビデオ
撮ってたのかな・・・?。つーか、電源切ったつもりだったんだ
けどなぁ・・イヤ、マジで。オレもマジ、ビックリ」
なぁ?と首を傾げるワタヌキに枕を投げつけてやる。
オレは裸のまま構わず、ワタヌキに飛び掛った。
胸倉を掴んで引き寄せる。
「テメー、出せ!携帯出せよ!!アレ、消せ!ふざけんなっあん
なもん、消しやがれ!!今すぐ消せ!」
掴みかかるオレの手をワタヌキは易々と広げさせると、またベッ
ドへ押し倒してキスしてくる。
「ンーーーーー!!!」
オレの体は疲れのせいでちっとも力が入ってなかった。何の抵抗
もできないうちに、ワタヌキが勃起を押し当ててくる。
真っ裸のオレには抗いようがなかった。まだヌメッたそこはすん
なりワタヌキをパスしてしまう。
「ヤメ!・・アンタ、オレのいい分聞いてくれるんじゃなかった
のかよ!?」
「ムリ。聞ける時と聞けない時がある。さっきので、マジでキた。
今はムリ。あとで、好きなだけワガママ聞いてやるから、今は
オレのワガママ聞け」

それじゃ、意味ねーじゃねーか!!
オレのワガママって、なんだよ?
こういうのヤメテもらうためのワガママ(懇願)じゃねーのかよ!

「アッヒデェッ・・こんな・・ん!」
「ハァッ、ナギ、ナギ、めちゃくちゃ好きだ。ナギ、ホラ、スゲー
奥まで繋がってる」
「ヤ、ラシイ、事、言う、なぁ!アッアッ」

バカみたいにオレ達はセックスした。
目が覚める度に、オレが携帯の話をする度に、ワタヌキがオレを
犯す。
どんどん体が慣れていってて、オレは泣きながらセックスしてた。

コイツのせいだ。
コイツが何回も突っ込むからだ。
オレの中に出すせいだ。

もしかすると、オレの体がワタヌキの味を欲しがってるのかも知
れないとも思えてくる。でなきゃなんで、アイツが出す時、あん
なにも気持ちイイのかわからない。
中で弾けて当たる飛沫がわかる。中の熱さより熱いからだ。
それを出されると、体が浮きそうな程の快感がある。
射精してないのにイった感じがした。
完全に溺れてる。こんなにセックスに溺れた事なんて無い。
「センパイ、もっと、もっとシて・・」
ガクガクと揺さぶられて、体が突っ張る。
早く、早く出して欲しい。
突き上げられながら、ソレを待ってた。
ワタヌキの体が一瞬離れた。
「・・センパイ・・?」
「ナギ、もっと突いて欲しいか?」
「ん。もっと・・」
「出して欲しいか?」
「・・ん。・・・・出して、欲し・・センパイ」
「じゃ、オレのお願い、聞けるよな?」
「オ、ネガイ?うん・・い、よ・・・何でも、聞くから、は、やく
、あぅっ」
再びワタヌキの激しいピストン。
「あ、あ、あ、ダメっはぁッあ、あ、」
「アレ、消さなくても、イイよな?ナギ?」
「んっんっあ、イイ、よ。あぁッあぁつ」
「ナギ、ナギ、ずっと、ヤッテたい。ずっと中にいたい・・・ツゥ・
・・・!!」
飛沫を浴びて、オレは何度目かの絶頂を迎えた。
オレは朦朧として、なんでも頷いた。
ワタヌキの言う事に何でもイイと言ってた。

チキショ!
きたねーぞ!テメ!
確かに言った。
でも、あんな時に持ち出すなんて卑怯だ!





夜通し犯された、次の朝。
オレ達は駅前の携帯屋に行った。

あの携帯は凍結。
ワタヌキはアレでこっそり自慰すると言う。
アホだ。バラしてちゃ、こっそりじゃねーじゃん。
オレもあの携帯の事を口に出すのは止めた。
それを口にすると、朝まで掘られるからだ。
この絶倫オトコに。

「じゃ、一番新しいヤツで。これ、ビデオ何分取れます?」
オレを横目に、ワタヌキは店員に聞いた。
ギロリと睨むと、カウンターの下で手を握られる。
ウソだって、って、笑ってる。
ホントかよ!?

オレ、その内本当にビデオに撮られそうで、怖くなってきた・・・。



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