「カネダさん」
その時、モリヤ ナギに呼ばれたオレが見たモノ
は、ゾっとオレの背中を這った。


イカレテル。


オレにそう思わせる程の殺意に満ちた目だった。
疑問を投げかける暇も無いうちに食い殺される。
そんな、読むことのできないケモノじみた鋭い
眼光。
そこまで、どうして貪欲になれるのか。
アイツはモリヤの体から数センチ離れた場所か
ら、モリヤをゆっくり締め付けるように存在し
ていた。
「よ、風邪、治ったか?」
オレは視線を落として、缶コーヒーのプルを引
いた。
「ゼンゼン。鼻が詰まってて、めたくた苦しい
んデスヨ」
モリヤは絡み付いてくるワタヌキの手を払いな
がら答えた。
しかも、かなり乱暴に。肘で距離を取ろうとし
たり、最後にはワタヌキの脛(スネ)を踵で、
蹴り払う。
恐ろしい事、この上無い。
「イッ!・・テメ!」
ワタヌキが両手で足を押さえて座り込んだ。
だが、目は変わらず、モリヤから離れる事は
無い。
「なんで、あんたはそんなワガママなんだよ」
たぶん、モリヤはオレの前でいちゃつくのが
イヤなんだろう。たぶんワタヌキの方はワザ
とやってるんだろうけど。

恐ろしい猛獣と猛獣使い。

オレがいるのも忘れたように、二人が掴み合
いを始める。
いつ喉を食いちぎられるかも知れない猛獣相
手に、猛獣使いは首をさらす。
獰猛な唸り声さえ、恐れず猛獣使いは笑って
手を伸ばす。
そんな絵が浮かんだ。
オレは次元の違いに呆れて、空を見上げなが
ら、コーヒーを飲み込む。
一服つきにきたハズが、とんでもないモノに
遭遇してしまった。
よく、こんなコワイ男相手に、平気で立ち向
かえるよ。鈍感なのか。コワイもの知らずな
のか。ソンケー。

今日の屋上はカラッとした風が吹いていた。
空の上の上まで透けて見えそうなくらい、透
明で、隣でいちゃつくアホ共がいなければ、
静かに空でも見ながら昼寝するつもりだった。

缶がカラになって、視線を振ると、猛獣が、
目配せした。
「じゃ、オレはこれで」
「え、待って、カネダさん」
思わず、振り返ると、笑ってない目でモリヤ
が、笑いかける。
「もう、もうちょっといて下さいっ」

なるほど。
オレがいる間はワタヌキも無茶しないと踏ん
での抵抗だったってワケか。
猛獣使いは、猛獣の怖さは重々承知していた
らしい。
面白い。
「あ、電話だ。わりぃなモリヤ」
オレは鳴ってもいない携帯を開くと、それを
耳に当てて、その場を後にした。
だいたいにおいて、オレにはモリヤみたいに
アカルイ光を出すヤツは守備範囲外だったワ
ケだが、こうも弱々しい態度を見せられちゃ
イジメたくもなる。
この後、モリヤがどんな目にあうのかを想像
して、オレは噴出した。
あ〜楽しい。こんな楽しさもアリだろう。

階段を降りていく途中。
「よお」
「カネダ先輩。サボリですか?」
ツヅキ タカヒサ。
銀のフレームの涼しげなメガネが反射して目
玉が見えない。
「いや。これから授業出るよ。屋上?」
「はい。さっきタバコ置いてきちゃったみた
いで。飛ばされてないといいんですけど」

オレが見るとこ、コイツも見所ありそうなん
だよな。サドの。
オレはそこで思いつく。
確か、ツヅキはモリヤと同中出身だ。
ガッツガツヤられてるモリヤを見たら、コイ
ツは、どう思うだろう?
レイプかと思って、あの猛獣に食って掛かる
だろうか?
それとも、逆にモリヤに恋しちゃったり?
素質ありそうなんだよな・・・。

「何、笑ってんですか?」
「ん。オマエさ、今日部活出るか?」
オレは階段の壁に寄りかかって、ツヅキの目
を見つめた。
「出ますよ。センパイも、もう生徒会とか理
由つけて休むのやめた方がいいッスよ。3年
生にバレてますよ絶対」
「ハハ。いいよ別に。オレはたまたま空手が
強いだけで、それがイノチってワケじゃねー
し、あの先輩達みたいにな」
「・・・・もしかして、もう、話合いとか、
ついてたりするんスか?」
半笑いのツヅキのメガネが光る。
「待ち伏せしてたから、肋骨にヒビ入れてや
ったよ。一人一本ずつな」


思い出すだけで愉快な帰り道だった。
ワザワザ、日が暮れた中、闇討ちもしないで
街灯の下、オレを待っていた。
思わず、顔がニヤけた。
あんたらバカだろ。
オレがムカつくなら、後ろからヤっちまえば
いいんだ。
それをワザワザ顔まで見せて、代議名文振り
かざして、一人ずつヤろうってんだから。
どんなスポ根だよ?
これだから無駄に武道に走ってるヤツらって
サムイ。
「悪かったな。オレが強いなんて知らなかっ
ただろ?あんたらみたいに試合でしかヤラな
いヤツらにゃ負けねーよ。なんでかわかるか?」
オレは、制服の上着をはたきながら、屋根に穴
の開いたボロい工場跡の地面に向かって話しか
けた。
そこに綺麗に5人を寝そべらせる。
そしてよく、顔を見る。
ヤツらは痛みに顔を顰めて、呻いて起き上がれ
やしなかった。
「決めた。あんたにしよう」
オレはその中から、一番睫毛の長い男を選んで
引き起こした。
「痛!!」
ソイツの上半身をその辺の台に乗せ、オレは例の
ごとくパパッとソイツの下半身を剥いだ。
「ヤメろ!!何のツモリだよ!!」
異常事態に痛みも吹っ飛んだのか、ソイツは、体
を起こすと、オレに正拳を突き出す。
それを避けて、軽くソイツの胸を押してやるだけ
で抵抗は止んだ。
上着のポケットから銀の缶に入ったジェルを出す。
これも例のごとく例の場所へ、手早く塗りつけた。
この悲鳴を聞いて、他の4人が一斉に視線を向け
る。
「試合が終わった後に、こんなお仕置きされる事
なんてないもんな?オレが棲む世界じゃ、敗者っ
てのは屈辱と罰を受けるモンなんだぜ?よーく、
見てろよ。順番だからな」
興奮剤の入ったジェルのせいで、ソイツの顔色が
みるみる紅くなっていく。
たぶんもう、痛みが引いてきてるんだろう。
オレはたいして勃起しちゃいなかったが、仕方無
く、自分で硬くなるまで扱いて、ゴムをつけると
ソイツのケツにグッと押し込んだ。
ソイツは仰け反って、悲鳴を上げた。
それ以外にもう誰の声もしなかった。
呆然と、4人がオレ達を見詰めていた。
オレはゆっくりと出し入れした。
絡みつく肉壁がチンポをさらに硬くさせる。
ゆっくり出して、グッと奥まで挿れて、腰を密着
させたまま、グルっと回転させた。
そこで、悲鳴が嬌声に変わる。
『イヤ』が嫌じゃない、イヤに変わった。
後はオレの自由に突き上げるだけだった。
ソイツが瞬きする度に、涙が長い睫毛を伝って滑
る。それだけが枠に嵌ったように映画のワンシー
ンみたいに、綺麗に見えた。フィニッシュに、腹
にキツク吸い付いてやると、ソイツはビクビクと
肉の壁を締まらせた。
「ハーーーーーッ最高」
結局、ソイツはケツだけで射精できずに、泣いて
オレにねだった。
「イキたいっ・・カネダ、イキタイッオレのチン
ポ、痛いよ」
ケツ穴をポッカリ開けてジェルと体液をそこから
滴らせたソイツは両手で顔を隠しながら、レイプ
したオレに懇願した。
「いいよ。先輩。イかせてやる。だけど、オレの
をも一回挿れてもいいって言うならネ」
どうする?と、オレはその両手を掴んで広げさせ
た。
ソイツはグッチャグチャに泣いた顔で、
「いいよ。挿れて」
と言った。
オレはおかしくて堪らなかった。笑いながら、再
び、ソイツを犯した。
オレって本当見る目あるよな。
もう、コイツ、オレの言う事なんでも聞くぜ?
どんなに奥に突き入れたって、ソイツは泣いて喜
んで、オレの腰に足を絡めた。
その足を払って、自分の手で膝を掴ませて、広げ
させた。ソイツは力一杯自分の股を広げて、オレ
を食い込んだ。
オレはその穴に台が動く程激しく突き入れてやっ
た。オレが二回目を発射する間近、ソイツのチン
ポが勝手に爆ぜた。
快感の限界。
ただ、残念だったのは、ソイツと二発目を始めた
せいで、他の4人に逃げられたって事だ。
ま、その後、失神したソイツに4人分楽しませて
貰ったけど。
人間って面白いよな。失神してたってイクんだぜ?
チンポの先だけが反応して、精子噴出すシーンは
何回見ても笑える。




そんな話を、まぁ、かなりかい摘んで、ツヅキに
聞かせてやった。
ヤツは、変わらず無表情で相槌を打つ。
さて、そろそろあの二人も真っ最中な頃か?
「じゃ、オレはそろそろ戻る。またな」
「ハイ。でも、たまには顔出して下さいよ。オレ
先輩と組み手したくなりましたよ」
ツヅキは半身振り返ってオレを喜ばせた。
「いつでも、相手してやるよ」
オレは、ニヤけながら数段下りて、耳をすませた。
ツヅキが階段を昇る足音。
次いで、ドアが開かれる音がした。
オレは急いで、今降りた階段を駆け上がって、
そっと、ドアを開けて覗く。

あれ?居ない?

ソロソロと扉を開いてオレも屋上へ出た。

アイツ、モリヤ達に気づかないで反対方向に行っ
ちまったのか?
と、思った時だった。
「タツ、ト」
「もう一回」
「あッ・・・た、タツ、と」
そっと壁際から覗いた二人の姿。
ワタヌキがただモリヤを後ろから抱きしめて座っ
ている。だが、今の声からしてたぶん、ワタヌキ
の手がモリヤを弄っているんだろう。

なんだよ。ヤってねぇし。
それより、アイツ何処行ったんだ?

と、体が後ろに引っ張られた。
そこには眉間にシワを寄せて青ざめたツヅキ。
オレは引っ張られるまま、校舎の中へ入った。
「先輩っ知ってたんじゃないスか」
ツヅキは顔を手で覆って溜息を吐いた。
オレのキチク武勇伝を平然と聞く男が、溜息をつ
いて、マイッタと呟いている。
「あんた、本当に鬼ですネ。オレの気持ち、知っ
てたんですか?」
「キモチ?ナニ、オマエ、モリヤに恋してるとか?」
「まさか」
「じゃ、ワタヌキにか?」
そりゃ、こっちのが驚きだぞ。
「有り得ないです」
「じゃ、なんだよ?」
「・・・・・・オレ」
ツヅキが俯いて、メガネを外す。
「モリヤにキスした」
「・・・・・」
「・・・・・」
「それだけかよ?」
「なんか、ハズミで。だから、ずっと避けてたんです。
なのに・・・!・・チキショ」

火がついたって?
面白いじゃん。

「抱きたいだろ?」
オレはツヅキの耳元で囁いてやった。
ツヅキは耳を真っ赤にして、階段を駆け下りて行った。


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