寒い日だった。




病院から電話が来て、行った。

行くとそこにミチルが寝てた。



ただ固まったまま部屋の中で突っ立ってた。


心配とか悲しいとかそんなんじゃない。


ただただ、驚愕。




この無敵の兄貴が白い部屋の真ん中で、似合わない白い布団掛けられてビクともしない。




「ミチルさん」

先輩の声でオレは先輩に顔を向けた。

「オレ・・・」

「うん?」

先輩はオレの真横に並ぶとオレの手を握った。


病室で。


二人で手を繋いでそれでも突っ立てた。

言いかけた言葉もわかんないまま。

喉に何も通らない。

まるで空気さえも。



アキタセイジ、死を考える。










オレの人生って意外と濃い。と、思う。

親が死んで、兄貴がヤクザで、恋人が男の先輩で。

オレが自分で選んだ事もいろいろあるけど、それでも少しな気がする。

選んだからってエライわけじゃないし。

選ばなきゃいけない事だから選んだ事もある。

でも。

やっぱ なんだかんだ言っても根底に支えてくれてる兄弟がいたから、オレが今いる。


マヌケに河豚食って腹壊したミチルを病院で見た時は、まるで自分をそこに見たみたいで、ザッと血が下がった。

オレ。

死にたくないもん。

ちょっと前だったら、結構ちゃらんぽらんでさ。

楽しく笑えて毎日普通っぽく。

サッカー出来て、夜はクラヴに入り浸って、寂しい思いとか流せてた。

一人じゃないって思えてた。

一人じゃないけど、・・・どうでもいいってのも実際あった。

先輩と愛し合うまではさ。


愛してるって重いんだよな。

オレが死んじゃったら、先輩ってどうなっちゃうんだろうな・・・。

また、家族んとこ?

せっかく離脱できた場所なのに戻したくなんかない。

オレの愛がなくなって先輩は生きてけるのかな?

オレがあんな風にベッドで寝てて、ミチルみたいに

「おぃ・・・そろそろ目開けていいか?」なんて噴出さないで(あのクソやロー)

そのまんまオレ逝っちゃったら?

オレ幽霊んなって先輩から離れられないかも知れん。

重いよな〜・・・。

いいんかな。

ここ まで。愛しちゃってて・・・。

でも、オレこんな愛してるとか実感したことないし。

愛しちゃってるし。

愛っぽいし。

やばいし。



考えてて笑えてきた。

「何笑ってんの?アキタ」

帰り道。

コンビニに寄って夜食の調達。

「笑うっつーの」

カゴにガシガシ、本からペットボトルから突っ込んで歩く。

「ミチルさん?でもホント良かったよな・・・。同じモノ食った人は死にかけてるって言ってたじゃん?」

「胃だけはカメムシ級だったんだな」

適当に手にとった食頑の箱に描いてあったカメムシの名前を言ってみる。

「ええ?カメムシ?カメムシの胃が?丈夫なの?」

素直に反応する先輩に噴出しそうになる。

「知らねー。匂いだけはすげえらしい。自分の匂いで失神するらしい」

「全然関係ないじゃん・・・胃と」

「そだな。だが匂いだけはスペシャルらしい」

「ミチルさんの匂いは違う意味でスペシャルだと思うけど・・・」

チラと先輩を見る。

先輩も食頑の箱を見てる。

肘で先輩を押す。

やめろよって笑って、オレの横ッ腹をくすぐってくる。

「オレのがいい匂いするだろ」

次のコーナーへ歩く。

先輩もついてくる。

その背後から呟いた。

「セージはオレの匂いだよ」

え!と、思わず振り返ってしまった。

先輩が笑ってヤキソバパンをカゴに入れる。

「セージ。顔赤いよ」

にっこりされて、オレは悔しくなる。

これでもオレは海千山千超えてきたつもりだったんだぜ?

オレの人生、その辺のヤツより絶対濃いんだぜ?

なのにさ。

先輩の一言とかに、すっげえヤられる・・。

一種敗北感。

これって思春期のなせるワザか?

恋愛中毒?

一緒に住んで一緒にガッコ行ってなのにずっとこんな風にドキドキさせられる。

そんな人間になってる。

死んだらとか死にたくないとか、そんなレベルじゃなくて。

ムリ。

死ねないから。(笑)



山ほど食料を詰めたカゴにバイトの兄ちゃんがピッピと単調な音で頑張る。

「14,630円になります」

「カードで」

レジでブラックカードを出す。

もちろん。あのふざけた兄貴の財布から抜いたモノだ。

寝たふりなんかしやがって、マジふざけてるぜ。

シロウにやっってみろよ?首しめられるわ、アイツ。

ああいう場面で普通ふざけるか?マジ悪趣味。



「アキタ!!こんなゴム買ってるし!!」

外で先に出て待ってた先輩が袋の中を見て唖然としてた。

「消耗品だから〜。これ全部無くなったら100回はシたって事んなるな〜」

「・・・・・つけた事あったっけ?」

フと気づく。

「・・・ないな。」

「・・・・・・」
「・・・・・・」



とりあえず、ガサガサと袋に手を突っ込んで、アイスを取る。

先輩に一個渡して、自分のもまたガサガサやって出す。


それでアイスを食いながら帰った。



次の日。

「コラ。起きろ。セージ!ケータ!」

「えぇ・・・?」

聞きなれた声に目を開けると、いつもの黒いシャツに黒いエプロン。

「シオさんだ・・・」

オレの隣で先輩がモゾモゾと動いた。

「オラ!起きろ!学校遅れるぞお前ら!」

布団をひっぺがそうとするシオさんに先輩が慌てて布団を押さえた。

「待って!待って!シオさんッちょ!」

「待たん!メシを食えお前ら。あんなに買い込みしやがって」

「ヤダ!シオさんってば、オレ朝起ちしてるってば!」

布団を剥がされて丸まる先輩がかわいくて大笑いした。

「やべ〜 オレも起ってきた」

先輩に抱きつくオレの頭にゴンっと鈍痛が走る。

「お前のは違うだろ・・・メシを喰うか?死ぬか?」

目の奥を光らせた朝のシオさんはダークサイドだった。



「どうせシオさん、兄貴にカード取りに来させられたんだろ」

「わかってんなら、ヤルんじゃねえよ。まったく」

ギリギリまで注がれた牛乳のコップをシオさんがテーブルに置く。

「ええ。どやって飲むんだよこれ」

「流し込んでやろうか」

「あ、飲めました。大丈夫です」


ダークホース シオめ・・・!!


「あ」

新聞広げてコーヒーを飲んでたシオさんが急に新聞を下ろした。

「お前らゴム使ってんだな」


!!



あぶねえ・・・牛乳噴出すところだった・・!

なんて言っちゃイケナイ台詞をこのサワヤカな朝に堂々と言えるか・・!

これだから、ヤーさんとかってコエーんだよ!!

性格メチャクチャなんだよ!





睨むと嬉しそうな顔でオレを見る。

そこに。ケイタが明るく言った。

「使ってないよ。一回も。全部中出しだし」

今度はシオさんが噴出した。もちコーヒー飲んでた。





あぶねえ・・・。何にも口に入れてなくて良かったぜ・・。






ゲホゲホ咽ながらシオさんが鼻をかむ。

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「どしたの?」

先輩は沈黙に疑問を持ち、タブーを犯す。

袋ごとシオさんに向けて。

「オレらいらないから、使ってシオさん」

「・・・ありがとな」

シオさんは軽く頷きながら袋を受け取った。

先輩。

すげえ。

すげえよ、先輩。

「・・・・・・・・」

タバコを出すシオさんにオレは無言を貫いた。







ブラックカードを受け取ったシオさんと一緒に部屋を出た。

少し足を引き摺るシオさんは路駐した濃紺のベンツに乗り込むと、軽く手を振って走って行った。

それを、見送ってオレ達は駅へ向かった。

その途中で。

「なあ」

先輩が立ち止まる。

「シオさん、生きてて良かったな」

「なんだそれ」

笑って聞くと、先輩はマジメな顔でオレを見た。

「言ってたじゃん。ラスタやる前は本職してたって」

「あ〜・・・足悪くしたからな。それでオレの面倒見てくれてるわけだけど」

「うん。オレさ」

先輩が歩き出す。オレも並ぶ。

エナメルバッグを肩にかけ直す。隣歩く先輩にぶつかんないように。

「ミチルさん昨日見てすげえ考えてた」

「うん」

「セイジの大事なもの、なんも失くさせたくない」

その台詞でオレの心臓は痛くなる。

「あんなセイジ見たくない。真っ白みたいな・・・」

昨日の自分を思い出す。

「やばかった?」

「うん。幽体離脱しそうだったもん。オレだから急いで手繋いでさ。行くなって思って」

笑う先輩。

「人ってさ。死ぬんだよな」

「うん」

「しかもなんで死ぬかなんかわかんねえし。実際オレ、ミチル見てびびったし」

「うん。やだね。あんなん。いきなりさ。電話で連絡きて。なんもわかんなくて、行ったらシーーーーンとしてて」

「マジあいつ殺してやろうかと思ったもんな。喋り出した時」

そこで二人で笑った。

「オレがさ」

先輩がオレを見た。

少し言葉に詰まる。

間が空いて、自分でも何聞くんだよって思いながら聞いてみる。

「死んだらどうする?」

「どうでもいいよ」

聞き間違いかと思える即答に、一瞬間があく。

「え?」

聞き返すと、先輩が眉間にシワを寄せてる。

あ、怒ってる顔だ。

「そんな未来どうでもいい。死んだアキタなんか見たくない」

び。

ビミョウだな〜・・・。

なんかいい事言われてるハズなんだけど、でもオレだっていつか死ぬし。

見たくない気持ちもわからなくないけどさ。

いや、オレが聞きたいのってオレの死体とかじゃなくて・・・その先の生活みたいのだったんだだけどな・・。


無言でいると先輩がオレの腕を掴んだ。

「ないもん。オレんなかにアキタが居ないなんて。オレの人生にアキタが居ないなんて無いもん」

その顔が。

あんまりかわいかったから。

オレ先輩にめっちゃくちゃにキスしてた。

で。

道を戻る。

エレベーターに乗る。

部屋のカギを開ける。

先輩の制服を脱がす。

「セイジ・・・!」

やっぱり、我慢できなかった。

先輩の体を飴玉みたいに舐めまわす。

舌先でまっすぐ下へ落ちる。

先輩の体がビクビクと跳ねた。

先輩が手を伸ばしてオレを掴む。

ユルく、手の輪の中で動かされる。

根元に行ってキツク握られて、溜息が漏れた。

腹にピッタリ付きそうなくらい勃起してる。

先輩のチンポの先から雫が垂れた。

オレも先輩のチンポを握った。

「あ」

先輩が体を少し起して、オレを見た。

オレはおもいっきりチンポを奥まで咥えた。

「うぅッあぁ・・・!」

ビクっと腰をさせながら、先輩も体の位置をずらしてオレに舌を這わせてる。

根元からゆっくり舐め上げる。

舌でオレのチンポを巻くみたいに、舌でギュっとヤラれる。快感・・・!

オレも舐めながら手を動かした。

チンポの先をグチュグチュ吸ったり出したりしながら手を早く動かす。

「あ、あ、アッ」

先輩がオレのチンポ咥えながら喘ぐ。

チンポ握ってる先輩の手に力が入って、思わずオレは腰を振りそうになる。


「あいしてる」

「うんあいしてる」

吐息混じりで囁いた。

なにもかもが溶け出しそうだった。

先輩のチンポをシゴキながら指を入れる。

フェラの唾液と先輩の溢れた汁でケツが濡れてた。

ヌプッと指が入る。

一度抜いて、ケツの廻りを指先で撫で回して、また入れる。
 
今度は指の腹で押すくらいの力加減。

「あん、やあ、それ・・あ!」

チンポを早くシゴキながら、合わせるように穴をつつく。

「ヤ!あ、アキ・・セージ!セージ!あ、あ、うぅ・・・!」

「気持ちいい?先輩?ほら、ヒクヒクしてきた」

「うぅ・・!!イキソウ!ハァハァ・・アア・・!キツ・・」

先輩が体を仰け反らせる。

「まだ、ダーメ」

体勢を変える。

開き始めた肉の穴に、チンポを押し付ける。

少し閉じたりイヤがりながらも先輩の穴がオレのチンポをゆっくり飲み込んでいく。

カリまでニュルっと入るとキツク先輩が締めてくる。

「まだだって。まだ先ッポ」

「あああ・・・イきそう・・セイジィ・・!!」

「もっと飲み込んでよ。先輩。すげえ熱い。チンポ溶ける」

「ムリ・・も、ヤバ・・」

締め付けを止められない先輩の中からカリを軽く引く。

内側から刺激を受けて穴が開く。

そこへまた、押し込む。

ニュプーと入っていく。

それでもキツイ。

もう一回出して入れて、出して入れて、グッと腰を押しつける。

「あッあ・・・!!セイジ・・セイジ!」

「あぁ・・・いい。先輩すげえ。熱い。入れるだけで出そう」

「アアッ」

先輩のチンポから手を放して、腰を掴んだ。

根元までギューギューに押し込む。

先輩の狭かった入り口が大きく息をする。

オレのチンポからオレの精液を搾り取ろうとするみたいに。

チンポ全体を締め付けられて体から力が入らなくなりそうになる。

両手で体を支えて、深く息をする。

快感を逃がす。

「いい?」

「ハァハァ・・も、くるし・・!我慢できな・・ッセイジッ」

そっと先輩のチンポを撫でるとビクビクっとチンポが揺れて、先っちょからタラリ白っぽい液体が落ちる。

「出てるよ?先輩。尿道上がってきちゃってるじゃん」

「アアア・・もう、もう、ムリ。イク。イッチャウ」

ゆっくりしごいてやる。

とシゴキ上げる度にピュッピュッと精液が噴き出た。

手はゆっくりで、オレは先輩の中のチンポをピストンさせた。

「アン!ああッあ、あ、あ、あ、ヒッ、あ、ウッウッ・・!ヤあッ・・・!」

ピストンを早めるために先輩のチンポから手を放した。

先輩をガンガン突き上げる。

先輩のチンポは揺れながら、勝手に射精した。

突き上げてる間中、腹に胸に液を飛ばし続けてた。

「すげえ・・・エロい。先輩。ケータ、エロい。お前、出っ放し・・・」

シーツを掴んで顔を振るケータの体を軽く折った。

チンポがケータの顔に向く。

「あ、ヤ」

ケータのチンポがピストンで揺れながら、ケータの顔へ精液を垂らした。

細く糸を引きながら時々、玉みたいな雫を落とす。

「ヤ。セイジ・・!アアッアアッ」

何度も抜いて根元まで押し込んだ。

ツナガッテル。

オレ達は体をツナゲテル。

なにもかも混ざる。

オレのも、もうモタナイ。もう、たぶん零してる。

ケータん中で、もう噴出してる。

「ああ・・イクッ・・イク!ケータ・・飲んで?オレを飲み込んで?ケータの体ん中入れて・・!」

「セージ!!」

ケータの手がオレの腿を引き寄せた。

もっと奥って感じ。もっと入れてって。

ああ、すげえよ。オレ達受精しちゃいそう。

ケイタの中でオレの精子がケイタの細胞に入り込んでく。

ケイタの全てを犯したつもりで。

ケイタに全て包まれてってた。



あいしてるって思ってて。

あいされてってた。

オレは、あいされてってた。

終わっても、繋がってた。

イッタ事だっていいけど、やっぱ繋がってるって事がすげえ好きで。

先輩のクッタリとしてる顔とか体とかかわいくてかわいくて離れられない。

ケイタの白く汚れた顔拭いてやって、ギュっと抱き締めた。

で、思った。

ムリだなって。

死ぬとか死んだらとかやっぱムリだと思った。(笑)

愛だから。

愛でいっぱいだから。














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